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実家に着くと、
まさかの女連れのオレに両親が笑顔で出迎えてくれた。
しかし、Aは、オレの後ろに隠れて、小さく
｢こんにちは、Aです｣
って。
だてに、心を病んでた息子をもった親ではない。
いやな顔もせず、疲れたでしょ〜とりあえず、中に入りなさいって。
変な誤解をされても困る？から、
自己紹介がてら、Aの生い立ちとか出会った話をした。
Aはうつむいている。
オンマは泣きながら、話を聞いている。
そして、Aの手を掴んで言う。
｢生きてくれてありがとう。
ユンギと出会ってくれてありがとね。｣
そこで、初めて、Aが顔をあげて口を開いた。
｢ありがとう……ございます。
ユンギさんが言ってた幸せって、こういう事だなって、
分かってきました。
誰かに感謝の思いでいっぱいになるこの瞬間もそうですね。｣
｢アナタ、本当に賢い！ えらい子ね｣
そう言って、オンマがAを抱きしめてやると、
｢あったかい｣
って泣き出すA。
こういう愛情に飢えてたんだな。
夜ご飯までの間、少し散歩する。
｢いいご両親の元に生まれてきたユンギさんは幸せだね｣
｢おかげさまで。
それでも、死にたいなって思った時期とかもあるし、
いい親の元に生まれてもそれに気づかず親不孝することもある。
今は、しっかりと恩返ししようと思ってるけどな｣
｢ゆんちゃん、立派に成長したね笑｣
｢うっせーわ｣
家に帰ってきて、部屋の隅にある茶色のピアノを見つけたようだ。
｢昔、おばあちゃん家にあったピアノに似てる！｣
｢弾いてみろ｣
そして、Aが弾いた曲はオレの｢First Love｣。
｢選曲にセンスあるわ、お前ㅋㅋㅋ｣
コイツ、オレのファンかよ笑
思わず笑うオレに、ピアノの上の写真を指し、ほほ笑みかけるA。
｢その笑った顔とこの赤ちゃんゆんちゃん、変わってないね｣
｢かわいいだろ｣
｢うん、めっちゃかわいい｣
素直に認めんなよ、照れるだろ。
｢私、小さい頃の写真なんて、1枚もないよ……
あったかもしれないけど、死んだばあちゃん家だし、もうのこってないな｣
｢おまえも、かわいかったと思うわ…
小さい頃の写真がないなら、
これから、その分まで、オレがいっぱい撮ってやるよ｣
｢いらないよ…///｣
さっそく、その照れた顔を撮ってやった笑
かわいいじゃん…………ん？
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作者名：みんと
| 作成日時：2022年9月9日 17時
