私の歌を聞け歌え踊れ３ (ページ2)

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９１story ページ2

その日以来、あんずとは仲良くなり昼ごはんも下校も一緒にすることが多くなった。

元々、アイドル科は男子ばっかで居(い)た堪(たま)れなかったのであんずと一緒にいるだけで心が軽くなった気がした。

プロデュース科に転校してきたあんずは、覚えることが多いようで勉強に明け暮れる毎日。

その他にもアイドルの衣装作りや、レッスンをするアイドル達への的確なアドバイスをしなければならない。

私と比べてとっても忙しそうだ。

今日は大将に裁縫(さいほう)のやり方を教えてもらうそうで、一人で武道館へ行った。

スバルや真はまだ心配しながら、あんずを武道館に見届ける。

正直、あんずがこの学院のプロデューサーとして、自分の使命を全うしようと、努力してくれるのは嬉しいし、応援したくなる。

けど、時々自分と比較してしまう時がある。

私は今のところ役に立つことは何もしていない。

この学院にいてもいいのだろうか。と思い悩んで、気分がどん底へと沈んでいく。

A｢んーー、、、｣

あんずが武道館で衣装作りを頑張っている今、邪魔はしたくない。

かと言ってなんか大将を独り占めされているような気がして、少しイラッとしてしまう。

子供が大好きなおもちゃを友達に取られた時の気持ちそのものだ。

真緒も凛月も影片もそれぞれのユニット活動で今教室にいない。

一人でいる教室に私の｢あ゛ー」とか｢うあ゛ー」とか謎の声だけが響く。

大神｢てめぇ何してんだよ。｣

教室の扉に寄りかかり声をかけてきたのは大神。

A｢いやー、暇だからこうしてたの。｣

机に顎を置いて、またさっきと同じ声を出した。

大神｢お前、わかりやすいよな。」

A｢は？｣

わかりやすい？何が？こいつは私の何を知っていると言うんだ。

大神｢なんかあっただろ。」

大神は私の前の席の椅子にガタッと座った。