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重岡「もう大丈夫なん??」
A「うん、重岡くんがいてくれたから。もう平気。」
私がそう言いながら立ち上がると、腰を下ろしていた重岡くんが私を見上げたまま、顔を少し赤くした。
そして私から視線をそらし、「そか」と小さくつぶやく。
重岡「…今日は、家でゆっくり休みぃ」
A「え??」
重岡「仕事、どころじゃ、ないやろ。……チケットも返すわ。密着でもないのに見に行くわけにはいかんから。」
A「ううん、平気。JUMPの記事の納品は明日だから今から仕事しなきゃだし!格闘技も行こうよ!」
重岡くんはびっくりしたように目を大きく見開く。
重岡「え!…すごい仕事根性やな。」
A「そう??」
重岡くんは、ふはっと笑った。
その優しい笑顔に、胸が一瞬ときめく。
重岡「Aちゃんのそういう根性あるところ、ええな。」
A「……。」
重岡「え?」
A「……名前、呼んでくれた。」
重岡くんの顔が突然真っ赤になる。
何事かと思うくらい、顔が真っ赤になって、私から顔をそらした。
A「重岡くんだけ、私の名前呼んでくれなかったんやもん!!めっちゃ嬉しい!!」
重岡くんだけは、明らかに私に心を開いていないと思ってた。
彼だけが、私のことを名前でも苗字でも呼んでくれたことはなくて。
だから、重岡くんに名前を呼んでもらえたことが……それも「ちゃん」で呼んでくれたことが。
無性に嬉しかった。
ふと腕時計に目を落とすと、12時を過ぎたところだった。
今日の試合は、17時からだ。
A「あ、重岡くん、それじゃあ今日は…16時半に現地集合で大丈夫??」
腰を下ろしていた重岡くんが立ち上がる。
重岡「え?あ、ああ…。」
A「会場前とかで待ち合わせちゃうと目立つだろうし、中で待ち合わせしよっか??」
重岡「ああ、ん…」
何だか浮かない返事。どうしたのかな?
重岡「Aちゃん、今から、どうするん??」
A「え?私??私は、カフェかなんかで仕事するつもりだよ。」
重岡くんは「ふーん」と、やっぱり浮かない返事。
重岡くんが何を考えているか分からないんだけど、それでも何かしら重岡くんなりに考えていることがあることは分かる。
A「どうかした??」
重岡「俺も、一緒にいたら、あかん??」
私より20cm程度背が高い重岡くんを、私は見上げる。
重岡「仕事の邪魔は、せん、から…」
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可愛川麗華 - コメントのお返しありがとうございます!すいません、この作品ではなく、別の作品でお願いします。今回もドキドキする作品をありがとうございました!とっても面白かったです。お兄さん組の作品も楽しみに待ってます!頑張って下さい! (2019年5月19日 2時) (レス) id: 03ed3147e8 (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 妄想が好きな変態女子。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!ちょっと迷いましたが、今回はモテモテハーレムのお話にしてみました笑 こんな全員から想われるなんてあり得ないよな…なんて葛藤もありながら本当に夢のような話ですよね笑 続きも読んでもらえたら嬉しいです! (2019年5月18日 23時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 可愛川麗華さん» リクエストありがとうございます!しげの狂愛ですか!…えっとそれはこの作品で、という意味ですか?こちらではしげは割と爽やかキャラでいこうかと思ってますので別作品でもよければ頑張ってみます!!よろしくお願いします^^ (2019年5月18日 23時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 可愛川麗華さん» 面白いと言って頂いてありがとうございます!とっても嬉しいです!!続きを楽しみにしてもらえるなんて感無量です…泣 これからも頑張りますので、よろしくお願いします^^ (2019年5月18日 23時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - リサさん» 嬉しい感想をありがとうございます!続きも頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします! (2019年5月18日 23時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏海 | 作成日時:2019年5月10日 23時