WESTに密着取材中！

重岡くんに密着中 ページ40

私と重岡くんは連れ立って、撮影を行なっていた出版社を出た。


A「あれ、今日マネージャーさんの車は？」


重岡「あー。いや、格闘技の試合までなんかブラブラ時間潰そかな、思て。今日は帰りの車はいらんって言ったわ。」


なるほど。そういうことだったのか。


A「ねえ、さすがに、一緒に歩くのはまずいと思うよ。」


重岡「……そやな。まずいな。」


A「ちなみに、一緒にカフェに行くのも重岡くん的にはまずいでしょ。」



メンバーの誰よりも、プライバシーを絶対に守り通したい重岡くん。

私はあくまで「スタッフ」みたいなもんだけど。

それでも、女と2人きりでカフェなんて。重岡くん的に許せるのだろうか…。



重岡「あ、いや、それは大丈夫やで！！俺の知り合いのところのカフェ行こや。そこWifiも繋がるし、コンセントもあんで〜」


A「知り合い？？」


重岡「結構、芸能人も使ってるで。完全個室があんねん。」


へー。個室のあるカフェかー。

それだったら、プライベートも守られるから、芸能人も気軽に使えるよね。




重岡「そしたら、一応、別々に行こか。」


A「うん、それがいいね。」


重岡「あ。そしたらそのカフェの住所送るわ……LINE聞いても、ええ？」


少し遠慮がちに私を見つめる重岡くん。


A「ああ、うん！もちろん」



私たちは、少し体を寄せ合ってお互いのスマホをフルフルした。


重岡「お！きたきた。」


A「私にもきたよ。WESTで連絡先交換したの重岡くんが初めてだー」


重岡「え？！」


重岡くんが驚いたように目を見開いて私を見るから、私も驚いて重岡くんを見返す。


重岡「そう……なん？？」




そうだよ、と返事をすると、重岡くんは「ふーん、へへ」ってなんだか可愛く笑って。

その笑顔が少年みたいに可愛らしくて、これまた胸がきゅんとした。




重岡「じゃあ、これが住所な。」


すぐにカフェの住所を送ってくれる重岡くん。


重岡「あ、あと、これ。」


そう言って出されたのは、クレジットカード。


A「え？！なに？！」


重岡「タクシー使うやろ？？料金これで払って。」



あれ。重岡くんってケチエピソードがあったよね。

むしろカードを渡すなんて、太っ腹では…。




A「いやいやいや、経費で落ちるから。むしろ重岡くんが、タクシーの領収書もらってきてね。」


重岡「え！経費？？」


A「そうだよ。忘れないようにね。」

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