幹部さん ページ10
『……まあ、ボクは男にしては体が小さいですからそういったことも出来なくは無いでしょうけど。』
「うちの幹部に君よりも身長の低い子がいるよ。
彼に女装させて君とペアになってもらおうかな？」
『それ絶対その幹部の人に言っちゃダメですからね。』
あっけらかんと云う森さんに即答する。
「君のことだ。
うちの情報なんか沢山持ってるだろうし、私が誰の事を云ってるのかも判っているだろう？」
森さんはニコニコと口角をあげ笑った。
『その通り。
ポートマフィアの情報は沢山持ってます。
その幹部さんとは面識は無いですが、もちろん知ってます。』
「矢張り君にはうちに来てもらいたいなぁ……。」
部屋に沈黙が訪れる。
ボクも森さんも目線を交わしたまま微動だにしない。
お互い、笑って腹のうちを探られないように、悟られないように、そして相手の腹を暴くために目線だけが鋭くなっていく。
部屋にピリピリとした空気が漂って、もし仮に一般人がこの場にいたら卒倒してしまうだろう。
『……ボクはフリーでいたいのでスカウトの件は何度も断っているんですけど。
執拗いですねぇ………。』
「もちろん承知の上さ。
けれど武力を行使するという手段が我々にはあるのだよ？」
背中に突き刺さるいくつかの殺気と視線。
壁の裏に部下達を忍ばせているな………。
『ポートマフィア首領の執務室を戦場にした、なんて知られたら特務課に目を付けられるので勘弁したいですね。』
ボクは腕を組んでソファにふんぞり返る。
「……冗談さ。
君が強いのは百も承知だ。
そう一筋縄ではいかないことくらい判っているさ。
ただうちはいつでも君のことを歓迎するよ。」
『………。』
ボクは目の前の笑っている森さんを暫く見つめてから溜息を吐いて立ち上がる。
今度のパーティは頼んだよ、という言葉を背中に聞きながら部屋を後にした。
ポートマフィアのビルを出て街中にまで戻ってきた。
時刻はすっかり夜になってしまって仕事帰りの勤め人が居酒屋に入っていく。
ドンッ
『おっと、すいません。』
「いや、こっちも悪かった。」
余所見していたせいで人にぶつかったものの何事もなく通り過ぎる。
何歩か歩いて振り返った。
ぶつかった人の背中を見て口角を上げる。
『ポートマフィア幹部、中原中也さん。』
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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです！！作者様すごいです！！ (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです！！更新頑張るので楽しみにしていてください！ (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 続きが気になります！めっちゃ話に引き込まれて好きです！夢主さんも凄い好みで！更新頑張って下さい！ (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年8月31日 1時
