夕暮れ ページ7
「あの……Aさんのこと、本当に信頼してもいいんですよね……?」
Aが探偵社を去った後、敦が恐る恐る太宰と国木田に聞く。
「如何してだい?」
太宰も国木田も不思議そうな顔をしてから、太宰は敦の質問に聞き返す。
「何でも屋、って報酬さえ払えば何でもするって云ってましたよね。
それってつまり、ほかの組織がAさんに報酬を出せば今回の件は情報として渡されてしまうんじゃないでしょうか……?」
敦は眉を八の字にして二人に問う。
「確かに敦の云う通りだ。
しかしAには今まで何度も依頼しているが、そういったことは起きていない。
俺達もあいつを信頼して依頼している。
それに以前″お得意サマを敵に回すことはしたくない″と云っていた。
俺達の情報を渡せばAはこの街では暮らしずらくなる。
そういったことも考えてあいつは依頼を受けている。」
国木田はAから貰った紙束から目を離さずに答える。
「それにA自身も云っていたでしょう?
″そういった情報は絶対に口外しない約束です″って。
大丈夫だよ、敦君。」
太宰もニコニコと笑いながら敦を見る。
「……お二人がそこまで云う方なら大丈夫ですね。
金曜日、足でまといにならないように頑張ります!」
窓から夕日が差し込んで探偵社のオフィスをオレンジ色に染め上げた。
時は同じ頃、探偵社を去ったAは裏路地にいた。
『もうすぐ、夜だ。
夜は好きです………それは貴方達もそうですよね?』
振り返ってにこりと笑ったAはある一点を見つめる。
見つめた先は影で真っ暗だったが、コツコツと革靴が歩いてくる音が響いた。
「あぁ確かに好きだ、夜は動きやすい。
我らの首領が待っている、ついてきたまえ。」
『はい、お待たせしてしまって申し訳ありません。
いつもお迎えありがとうございます、広津さん。』
影から現れたのはポートマフィア武闘組織″黒蜥蜴″の百人長、広津柳浪だった。
『あれ?今日は広津さんだけじゃないんですね。』
Aは広津の後ろにも目を向ける。
そこに居たのは広津と同じく″黒蜥蜴″の十人長、立原道造と銀だった。
隠れていたつもりがAに見つかり、二人は驚く。
「流石鳥羽くんだ、二人に気づくとは。」
広津はそれだけ云って歩き出す。
Aも慣れたようにその後に続いた。
964人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時