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廃港 ページ42

横浜、廃港にて──




「なんだが不穏な空気ですね……」



敦は周りをの様子を見ながら不安そうに口にした。



「ここは嘗て輸入品を受け取る港だったが、新しい港が出来て以来ここは放置されている状態だ。

気を引き締めろ、いつ動きがあるか分からんぞ」



国木田は腕時計を見ながら拳銃を構える。



時刻は夜中の一時。



「国木田君の嫌いなお化けの類が出てきそうだねぇ」


「嫌いではない!!」


「あ、そうだった。

怖い、の間違いだったね」


「貴様!巫山戯るのも大概にしろ!!」



国木田の横にしゃがんでいた太宰が国木田をからかう。



「あ、あのお二人共……静かにしてないと……」



おずおずという敦の言葉に国木田は自分を落ち着かせるように一度深呼吸した。




「まあ、幾つかあるポイントの中の一つが此処で、他の場所かもしれないけどね」




調査を続けた探偵社は、多くはないがそれなりに情報を集めることが出来た。



乱歩の推理によって、横浜市内に薬を流している組織が潜んでいそうな場所を幾つか突き止め、太宰、国木田そして敦はその中の一つである廃港に来ている。




「こんな時間に奴らを見つけられるでしょうか?」


「こんな時間だからこそ、だよ。

昼間よりも夜の方が動きやすいんだ、そういう奴らはね」


太宰は港を見ながらサラリと答えた。





港にはコンテナが置きっぱなしにされていて、昔使われていたであろう船が二三隻ほどある。

どの船も古びて、風が吹き抜けるとコォォと嫌な音が響いていた。


さながら幽霊船のようだと敦は思う。





「……ん?」


敦はある一点を見つめて首をかしげた。



「どうした、敦」



国木田も敦の見ている方向を見るが暗闇しか見えない。



「…太宰さん、国木田さん…人がいます!!」



暫く見ていた敦が目を大きく開き小声で伝える。


敦の目は虎化していて、暗闇の中も見通せるようになっていた。




「当たりか」


「何人くらいいるか判るかい?」


「具体的には判りませんが、五、六人は居ます」



敦は目を凝らしながら暗闇の向こうを見続ける。





「思ったより少ないな…」


「他の場所にもいるかもしれない、とりあえずこの場にいるだけでも捕まえよう」




三人は足音を消しながら、敦を先頭に近づいていく。




「俺が撃ったら敦が近接で倒せ、太宰は逃亡する奴が居たら知らせろ」



国木田の指示に二人は頷いた。

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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時

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