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手伝い ページ41

「今回は芥川くんに君の手伝いを任せたよ。


彼の力も上手く活用してあげてくれ」




森は手を組んだままニコニコと笑いながら云う。




「わかりました」



「それじゃあ頼んだよ」




中原は一礼すると踵を返して部屋を出た。






それから真っ直ぐ部下の元に向かうと今回の件についての指示を出し、部下に情報を集めさせる。





「中原さん」



「あ?…あァ芥川か」




中原を呼んだのは細い体に黒い外套を身に纏う芥川だった。



「今回の件、僕も助力させていただきます」



「あァ、頼りにしてる」




芥川は口元を押さえながら咳を一つして一礼する。





中原と芥川は自分の仕事部屋に向かうべく廊下を歩いた。





「例の何でも屋と連絡が取れないと聞きました。

その代替で僕が選ばれた、とも」





「芥川はあいつの事を知ってるのか?」




中原は少し意外そうに芥川を見る。




「面識はありませんが、先日銀に話しを聞きました」



芥川は静かに中原に言葉を返した。




「そうか…。

連絡が取れねぇのは俺もさっき首領に云われて知った」




「その者、疑わしくありませんか」



「どういうことだ?」




芥川の言葉に中原は足を止めて芥川の顔を見る。


芥川も中原の少し前で止まり、中原に振り返った。





「先程部下に聞いたところ、その何でも屋と連絡が取れなくなった時期と、薬が出回り始めた時期は近いです」



「それだけで…」



「更に何でも屋はマフィアの情報を持っています。

マフィアの目を掻い潜り、マフィアの目のつかないルートで薬を流すことも可能なのでは?」




芥川は鋭い目つきでここに居ない何でも屋を睨んだ。





「あいつがそんなこと…」




するわけがない、とは言いきれなかった。



言いきれるほど中原はAの事を知らなかったからだ。





以前、Aが中原に伝えた不安も、Aのほんの一部でしかない。









「……強引な考えだとは思うが、その可能性が無いとは言い切れねぇ。

頭の中に入れておく。


とにかく、まずは情報を集めるのが先だ」



「御意」



芥川は中原から離れて部下の元に行った。




「……チッ…お前、今どこで何やってんだよ…」



中原は髪を掴みながら小さく一人で苛立たしげに呟いた。



















そんな中原を近くのドアから見つめる二つの目。


その目は影に溶けて消えた。



『ポートマフィアの禍狗くんは頭が良いんだね』

廃港→←ポートマフィア



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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時

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