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秘密主義 ページ25

A side



『ボクの異能は……





動物の形をした影を操ることです』



「?」




ボクの言葉に中原さんは疑問符を浮かべる。




『ボクは秘密主義者なので、知りたいのならご自分でボクのこと調べてみてください』




営業スマイルを浮かべながら云うと中原さんは煙草を咥えたまま頭をガシガシと掻く。




「てめぇの事は首領が充分に調べたよ。


調べたうえで何も出なかった、だから俺が聞くように命令された」




あぁ、やっぱりさっきの質問は森さんからだったんだ。



中原さん自身からの質問じゃなかったことに少しだけ落胆した。




『さっきの答えじゃ不満ですか?』



「お前の異能の詳細について聞き出せって云われてんだ。

動物の形をした影を操る、だけじゃあ満足はしてくれねぇだろうな」



中原さんは上を向きながらため息と共に煙を吐く。







「……それに…」





少しの間があって、中原さんが再びボクへと目を向けた。




「俺が知りたい気持ちも少しだけある…。


お前の強さを身をもって体験したからこそ、お前のことを知りたい」






その言葉にボクは少しだけ目を見開いた。



驚いた、ボクのことを知りたいなんていう人は久しぶりだ。




中原さんに見えないように少しだけ口が弧を描く。









『中原さんは…人間は動物だと思いますか?』




ボクの唐突な質問に中原さんは眉を寄せた。



「…動物、じゃねぇのか?」




『そうですよね、ボクも人間は動物だと思います』




ボクの言葉にますます中原さんは眉を寄せる。




『ボクの異能、名前は【鳥獣戯画】っていいます。


さっきもいったように動物の形をした影を操る能力です。

鳥も獣も動物です、そこでボクは疑問に思ったんです。


人間は動物なら、ボクは異能によって出来た人間なのではないでしょうか?』




「……」




中原さんは何も云わない。





『鳥羽Aという人間は、


ヒトの形をした影にボクの外見の皮が張り付いただけではないか、と思ったんです。

そして異能によって動かされ、感情を持ち、意思を持つ。


ボクという人間は本当に実在していて、生きているのでしょうか?


そういう不安が常にボクの中にあるんです……』

冗談→←異能



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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時

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