1章 2-2 ページ8
だらりと力のない手足に青白く変化した肌。
そして、何よりも目を引くのが全身に刺さった無数の手札。
よく見ればその手札はトランプの手札だ。
この人も死んでいる。
「やはり、濃い霧が発生、消失した直後に、発見された変死体です。
彼は、手札を操る異能力者で、腕利きの暗殺者でした」
国木田さんが説明を終えると、今度は巨大な氷柱に貫かれた女性の写真が映された。
「これは半年前のデトロイト。やはり霧のあと発見された遺体」
都会の中心で、地面から幾つもの氷柱が突き出て、それは女性の体を突き刺し高く持ち上げていた。
「お察し通り、彼女は氷使いの異能者でした」
「つまり」
社長が口を開く。
「不思議な霧が出現したあと、各国の異能力者が、皆、自分の能力を使って死んだという事だな」
その言葉を聞いて、賢治くんが国木田さんの方を見た。
「この霧に、なんらかの原因があるわけですか?」
「確認されているだけでも、同様の案件が一二八件。
おそらくは五〇〇人以上の異能者が死んでいるでしょう」
国木田さんは眼鏡を人差し指で押し上げながら云う。
「異能特務課では、この一連の事件を、『異能力者連続自 殺事件』と呼んでいます。……自 殺と云えば」
そこで国木田さんは言葉を切り目線を上げる。
「太宰の阿呆はどうした?」
『あぁ…』
自 殺という単語に治くんのことを思い出したようだ。
国木田さんに見つめられている敦くんは大袈裟に肩を揺らし、ひきつった顔を浮かべながら報告する。
「…新しい自 殺法を思いついたそうで」
「あのトウヘンボクが!」
大声で叫ぶ国木田さんは、顔と声に怒りが溢れている。
『まあまあ、ああなった治くんを止める術はありませんよ。敦くんを責めないであげてください』
彼の自由奔放さを昔から特に知っている私は国木田さんを宥める。
「Aもその場に居たのならもっと真剣に太宰を連れて来い!」
『返す言葉も御座いません』
その流れで私も敦くんと共に怒られてしまった。
そんな中突然
「そうか…」
と呟いたのは乱歩さん。
乱歩さんはどこから取り出したのか、金庫を机の上に置くとその中に、乱歩さんの大事な駄菓子を仕舞っていく。
「何してるんですか?」
「秘密」
乱歩さんの横に座っている賢治くんが聞いても乱歩さんは教えてくれない。
またあの名探偵は何かを察知したのかな?
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jumpcontrolbear(プロフ) - 消しゴムクイーンさん» コメントありがとうございます!!そうだったんですか……ぜひ余裕がありましたらDVDでご覧下さい!終始悶えます(笑) (2018年9月9日 1時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
消しゴムクイーン(プロフ) - こんにちは。DEAD APPLE…私、見れなかったんですよ!見たかった……これからも頑張ってください!! (2018年8月15日 13時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - なたさん» コメントありがとうございます!!本編の方も読んでくださってるんですね!ありがとうございます!すごく嬉しいです!更新頑張ります! (2018年5月4日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
なた - このシリーズめっちゃ好きなのでデッドアップル編まで読めて嬉しいです!これからも頑張ってください (2018年5月4日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だし丸 | 作成日時:2018年3月23日 18時