プロローグ 3 ページ3
「そうそう、君が殺すのは私じゃない」
太宰くんは手錠を外す。
それから私達の元に集まってくる靴音に目を向けた。
「ゴミがぞろぞろと……」
仮面を付けた男達が殺気を滲ませながら私達を睨む。
「ちゃっちゃとやっちゃって。
想定内でしょ」
「あ？」
顔を顰める中原くんを宥めるように
『私もやりますか？』
と聞けば
「Aは下がってろ」
と肩を引かれた。
そこで中原くんに近づく異能力者。
電撃を腕に纏わせる仮面の男はさっきから執拗に中原くんを狙っていた人物だ。
「…そう云やあ、手前には借りがあったな」
殺気をこめた眼差しで中原くんはその男を睨みつけた。
その瞬間、強い衝撃が屋上を襲う。
『相変わらずの瞬殺』
「相変わらず芸がない」
舞い上がる砂埃を手で払いながら太宰くんと私は口々にする。
一瞬で仮面の男達は死体へと変わり、生きているのは私達三人だけになった。
『さて、目当ての人物に会いに行きましょう』
私は中原くんの作った死体を一瞥もせず、ビルの内部に足を進めた。
後ろから太宰くんと中原くんがついてくる気配を感じながら、辺りに神経を張り巡らせた。
広場のような部屋の中央。
私達の目当ての人物は座って居た。
「──手に入る、手に入らない、手に入る、手に入らない…」
俯きながらぶつぶつと呟き、火を熾したバケツに何かを投げ込んでいる。
それは札束や有価証券、そして宝石だった。
『花占い？』
そう云いたくなるような光景だ。
「手に入る、手に入らない、手に入る、手に入らない──」
バケツの中に入れられる札束や宝石は火に呑まれ燃えていく。
「あれ全部、本物の宝石だ…あ、今のは五千万」
太宰くんの言葉と同時に大ぶりな宝石が投げ込まれた。
「──…手に入らない」
それが最後の一つだったようで、男は吐息をついた。
「こんな占いばかり当たっても全く嬉しくない。
組織など編んでみても、やはり欲しいものは手に入らぬか」
男が顎の下で手を組むと、その顔が炎に照らされた。
白い肌に背中まで流れる白い髪。
髪の一部は編み込んで垂らしている。
美しい容貌に毒々しい赤い色の瞳。
私は何故かその容貌に嫌悪感を抱いた。
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jumpcontrolbear(プロフ) - 消しゴムクイーンさん» コメントありがとうございます！！そうだったんですか……ぜひ余裕がありましたらDVDでご覧下さい！終始悶えます（笑） (2018年9月9日 1時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
消しゴムクイーン(プロフ) - こんにちは。DEAD APPLE…私、見れなかったんですよ！見たかった……これからも頑張ってください！！ (2018年8月15日 13時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - なたさん» コメントありがとうございます！！本編の方も読んでくださってるんですね！ありがとうございます！すごく嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年5月4日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
なた - このシリーズめっちゃ好きなのでデッドアップル編まで読めて嬉しいです！これからも頑張ってください (2018年5月4日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年3月23日 18時
