捕虜 ページ5
芥川 side
「や、やめてくれ……もう、殺してくれ……」
「質問に答えよ、それが貴様の仕事だ」
眼前の椅子に縛られた男の足に羅生門を突き刺せば、男は醜く悲鳴をあげた。
「アアアァァアッッ」
男の体は既に満身創痍である。
「もう一度問う。
貴様らはどこを拠点に動いている」
「あ……ア…横浜、南の方にある山の中に……小さな建物がある…。
前まで、どこかの自然保護協会が使ってた建物だ……そこを使っている……」
男は口を開いたかと思うと、荒々しい息混じりにスラスラと答えていく。
「南の山…か」
「た、頼む、もう逃がしてくれ……質問には答えただろッッ！！」
僕の声に男は懇願するように体をガタガタと揺する。
「……そうだな、貴様は仕事を果たした」
「それなら…！！」
「そして今此処で死ね。
それが貴様の次の仕事だ」
「………え？」
希望の色が浮かんだ目が一転、困惑する男の首を羅生門で横に薙いだ。
首だけが床に転がり血が吹き出し、部屋を赤く染めていく。
忽ち立ち込める血の匂いに顔を顰めながら部屋を出た。
「芥川先輩！」
扉付近では何人かの黒服の男と、それをかき分け走ってくる樋口。
「何か情報は得られましたか？」
「南の山の中の建物が拠点だ、すぐに調べろ」
「はい！」
樋口は走り去り、僕は近くにいた黒服の男に命令する。
「捕虜の後片付けをしておけ、僕は首領に報告してくる」
それに対する短い返事を聞きながら、昇降機に乗り最上階へと向かう。
数日前の廃港でのことを思い出し舌打ちをした。
何でも屋と探偵社と遭遇し、戦ったがその結果は敗北。
意識を戻した時には、何でも屋の姿はなく探偵社も居なかった。
僕と中原幹部の二人のでも勝てなかった相手。
まだ完全に治りきっていない、何でも屋に刺された足の傷がズキリと痛んだ。
廃港から戻り首領に報告を済ませれば、首領からは新たな作戦を出された。
それは、偽名を使い薬の買い手となること。
高い値で交渉すれば面白いほどに奴らは釣れた。
取り引きの場に来た男を連れ帰り、先程まで捕虜として情報を吐かせた。
「次こそは必ず……息の根を止める」
そこにいるであろう何でも屋に対しての言葉を吐きながら、最上階の首領の執務室の前に立った。
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jumpcontrolbear(プロフ) - 螺旋さん» コメントありがとうございます！！そんなに喜んでいただけて私も嬉しい通り越して恥ずかしいです(笑)またいつでも読みに来てください！ (2019年10月17日 0時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋 - 初めましてです!めっちゃすんごく感動しました!!なんでこんな良い作品に気付けなかったのだろう…。こんな素晴らしい夢小説を書いて頂きありがとうこざいました!!他作品(?)も頑張ってくださいね！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: db579f6a09 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます！！そんなふうに言って頂けて凄く幸せです！この作品を楽しんで頂けて何よりです！これからも頑張っていきます！！ (2018年10月16日 10時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 初めまして、素敵な作品を最後まで書いてくださりありがとうございました! 二次創作でこんなに素敵な作品に出会えるとは思っていませんでした。最後まで飽きない設定、魅力的な主人公、時の流れ方や人の掛け合いがどストライクでした。これからも応援しています!! (2018年10月16日 2時) (レス) id: a12fc59e9a (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - Nightさん» コメントありがとうございます！なんとか完結出来ました！また他の作品も頑張っていきます！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年3月23日 15時
