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48.青年side ページ48

治療が始まって1時間ちょっと…。









ドアが開き、彼女がストレッチャーに乗せられて出てくる。




急いで駆け寄ると、女性の看護師がにこりと微笑む。









看「大丈夫ですよ。頭を少し縫いましたけど、1週間ほどで退院できます」









その言葉を聞き、ほっと安心して体の力が抜ける。




俺は手をずっと強く握りしめていたらしく、爪が食い込み血が出ていた。









彼女は個室の病室に移動し、ベットに寝かせられた。




部屋の外から見ていると、看護師は「どうぞ」と俺を誘導する。









ゆっくり足を踏み入れ
全身ケガだらけの彼女を見る。




白い肌に痛々しい傷
打ち所が悪かったら、本当に危なかったらしい。









じっと見つめたが、普通に寝ている。




このまま起きないんじゃないかと、ヒヤヒヤした。









俺は彼女の手を取り、強く握った。









ガタッ









「え…」









急に、後ろから物音がしてビクッと体が跳ねる。




振り返ると




そこには、身長が高く細身で
急いで来たのか乱れた洋服に髪、持っていたカバンも書類がはみ出している。




俺を見て、驚いた表情をしている男がいた。









見るからに…例の『慧』という人物だった。

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作者名:七瀬 | 作成日時:2020年11月27日 22時

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