両想い...片想い（Ryousuke.Y）

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涼介side

『これから、サッカーの決勝戦を行います』

放送委員がそう言うと俺たちのいるコートの周りにたくさんの人が集まってきた

もちろんAはいないけど

『ピーッ』

試合が始まった

それなのに集中できない

大ちゃんと２人きりって…

大ちゃんだってAのこと可愛いとか言ってたし

侑「涼介！しっかりして！」

俺「お、おう」

さっきから他のメンバーにダメだしばっかりもらってる

『涼介！いい加減にしろよ！』

『もっと周りを見て！』

『もっと集中しろ！』

はぁ…ほんとうるせぇ

それに加えて

『やばーい！涼介くんかっこいい！』

『涼介くん、頑張って〜！！！』

『涼介くん、ほんとに大好き〜！！』

こんな感じ

さらにイライラが増すわけだよ

約束したのにな〜応援するって

俺は、イライラして何も上手くいかないまま前半戦を終えた

侑「涼介、１回落ち着いて」

俺「俺、止める」

侑「は？」

俺「あと、頑張って」

Aが応援してくれないんだったら、俺頑張ってる意味ねぇもん

俺は、後半戦が始まる前にコートから出ようとした

宏「涼介、どこ行くの？」

俺「もう、俺この試合止めます。みんなに迷惑かけるだけだし」

宏「ほんとにそれでいいのかな〜？笑」

俺「え？」

宏「Aちゃん、見に来てないんでしょ？大ちゃんのところにいるって聞いたよ？」

俺「うん…」

宏「ここで優勝しないと、褒めても貰えないよ？」

え、それはやだ

俺「優勝したら、褒めてくれたりするのかな？」

宏「分かんないけど、可能性としては高くなるよね」

俺「そーだよね。俺やっぱ試合出てくる！」

宏「おう！行ってらっしゃーい！」

Aがいなくても、せめて結果だけ残さないとな

俺「知念、俺やっぱり試合出る」

侑「じゃー、早く後半戦の準備して！」

俺「おう」

３年生のチームは、やっぱり強かったから

もっとしっかりやらないと

負ける

あーあ、あとで大ちゃんに怒っとこ

侑「涼介さ、イライラしてるのってAのせいでしょ？」

俺「っ…」

侑「図星だ笑」

俺「だからなに？」

侑「あいつなら、大丈夫だよ」

俺「は？」

侑「ちゃんと褒めてくれる」

俺「ふーん」

侑「あ、勝ったらの話ね」

俺「そんなん、分かってる。だから、勝つんだよ」

知念は、Aは勝ったら褒めてくれるって言ってた

でも、それって知念だからなんじゃ…

俺にも褒めてくれる？笑

侑「涼介、ニヤけすぎ」

俺「すんませーん」

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