第93話 全ては作り話。 ページ4
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鬼に吹き飛ばされてから、Aの雰囲気が変わった。酷く怒っている。まるで、何かに取り憑かれているようだ。
そして鬼の方も、Aの言葉を聞いてピタリと動きを止めた。
まさに冷戦。お互いがお互いを静かに睨みあっている。
『町を汚すな？町を壊すな？寝言は寝て言え。お前にはこの町がどんな風に見えている？この町は、もう手遅れだよ。町も山も人も、皆死んだ。お前の所為だ。お前が鬼になんてなるからだ。』
「私の所為、だと？」
『そうだ。周りを良く見てみろ。見えるのは、荒れた土地ばかりだ。』
「…うるさい。」
『そんなにこの町が大事なら、大人しくその首をよこせ。私なら、痛み無くお前を斬ってやれる。』
「うるさい！うるさい！うるさい！！」
鬼が地団駄を踏んだ所為で、地響きが鳴る。
俺はとても立って居られなかったが、Aは平然とそこに立っていた。
「私は！私は他の奴らとは違う！！絶対にこの町を捨てたりなんかしない！必ずや緑を蘇らせ、町を復興する！それが、私の使命だ！！」
『使命？夢物語の間違えでしょ？…可哀想に、鬼になっても尚、人間だった頃の記憶に取り憑かれているんだね。ほら、首を貸してごらん？私が助けてあげるよ。』
「黙れ！黙れ！私はまだ死なない！アイツらを見返すまでは、絶対に！」
この鬼には、人間だった頃の記憶が鮮明に残っている様だった。そして、いかにも人間らしい怒り。心情の表れ。
この鬼、実はあまり人を喰っていないのではないか。でないと、人間の頃の記憶などすぐに消えてしまう筈だ。
まあ、こんな山の奥にこんな栄えた町があるというのも不思議な話だ。周りが山だらけのこの町に来るには、山を越えるだけでも一苦労だろう。
つまり、全ては、この鬼が作り出した幻。町も、山も神様の噂も、全部作り物だったと言う事だ。
『そっか。可哀想に。来世ではその人達を見返せる様に頑張ってね。』
そう言って、Aは笑った。さっきまでの不安を全て取り払ったような、にこやかな笑顔。
鬼が考えている事も分からなかったが、彼女が考えている事も全く分からない。
鬼に対して可哀想だなんて。正気じゃない。
『さようなら。』
Aが俺の方に目配せしたのと同時に、俺達は鬼の足元に滑り込んだ。
「『全集中 ___の呼吸 壱ノ型 万物の芽生え。』」
そして、そのまま両足を斬り取り、鬼が倒れたところをAが首を斬る。
『全集中 水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨。』
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美術室の爆発に巻き込まれて転生した話。��
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青花 - 和さん» ご指摘ありがとうございます！！また誤字脱字とうありましたらお願いします！！ぜんぜん図々しいだなんてないですよ！！ (2020年3月7日 22時) (
レス) id: 08bd86448d (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - この小説をいつも楽しく拝見しています。一つ気になるのですが、百二十八話で名前変更のところが間違っている気がします。図々しかったらすみません。 (2020年3月5日 18時) (レス) id: 07f735fd12 (このIDを非表示/違反報告)
青花 - 涙さん» そうですよね。ごめんなさい。直しておきました。今後、言葉選びには十分気をつけようと思います。不快にさせてしまって申し訳ないです。 (2019年12月29日 11時) (レス) id: 4d323b91c6 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - キチガイは差別用語になるので辞めてください (2019年12月29日 4時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青花 | 作成日時：2019年10月13日 23時
