第91話 鬼の正体は。 ページ2
.
紅蓮。それは、紅色の蓮の花で、猛火の炎の色とも例えられる。また、仏教においては地獄の意味も持つ。
紅蓮の呼吸。それは、炎の呼吸からの派生であるが、勇ましく力強い炎の呼吸とは異なり、優雅に流れる様な動きが特徴の呼吸である。
それを馨くんのような美少年が使うのだから、私は思わず見惚れてしまった。
しかし…。
「私の邪魔をするな。」
そんな、重く体に纏わりつくような低い声によって、私は一気に現実へと引き戻された。祠の周りで渦を巻いていた黒色が無くなり、空中の一点にそれが集まり始める。
そして、私達の目の前に巨大な鬼が現れた。
「ふんっ。ようやくお出ましか。」
『これ、ヤバくない…？』
30メートルくらいはあるだろうか。流石にデカ過ぎる。これじゃあ、どけだけ頑張ってジャンプしても首に刀が届かない。
それに…、
『何で…木が枯れてるの…？』
山が死んでいる。木は枯れ、地は割れ、水は乾き、動物は一匹も居ない。
「見ろ。町の方も、何か可笑しい。」
『！！』
此処からではよく見えないが、あれだけ賑やかだった町が、今では明かりの一つも灯いていない。まるで、そこに誰も居ないかのように。
「邪魔をするな。此処は私の町だ。誰にも渡しはしない。誰にも汚させはしない！」
そう言って、鬼は攻撃を仕掛けてくる。奴が動く度に風が吹き荒れ、地響きが鳴る。
大振りで粗末な攻撃は避けれなくはない。しかし、それに伴う風と揺れが酷く、態勢を保てない。
「何故分かった。何故此処が。この場所が分かった。此処は神聖な場所だ。貴様らのような薄汚い奴らが立ち入って良い場所ではない。」
どうやら、この鬼はわざと首を見せていたわけではないらしい。ただ、町の方に人を喰いに行っていて、私達が此処に向かっている事に気付いていなかっただけ。
私の目は本物だった。
「A、どうする！このままじゃ、アイツの首に近付けない！」
『…まずは足元を狙おう！態勢を崩した所で首を斬る！』
「分かった！」
この作戦で本当に首が斬れるかどうかは分からない。だけど、この方法がきっと最善策。あんなに大きな鬼の首を斬るには、まず私達の刃が届く所まで首を持って来ないといけない。
「全集中 紅蓮の呼吸 肆ノ型 炎帝七門！」
『全集中 水の呼吸 壱ノ型 水面斬り！』
2人で何度も鬼の足元を狙うが、鬼はビクともしない。それどころか、鬼の攻撃は激しさを増すばかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 799人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
美術室の爆発に巻き込まれて転生した話。��
転生したら鬼になったからとりあえず鬼殺隊に入ってみようと思う。(２)【鬼滅の刃】 転生したら鬼になったからとりあえず推しに斬られに行こうと思う。(１)【鬼滅の刃】もっと見る
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青花 - 和さん» ご指摘ありがとうございます！！また誤字脱字とうありましたらお願いします！！ぜんぜん図々しいだなんてないですよ！！ (2020年3月7日 22時) (
レス) id: 08bd86448d (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - この小説をいつも楽しく拝見しています。一つ気になるのですが、百二十八話で名前変更のところが間違っている気がします。図々しかったらすみません。 (2020年3月5日 18時) (レス) id: 07f735fd12 (このIDを非表示/違反報告)
青花 - 涙さん» そうですよね。ごめんなさい。直しておきました。今後、言葉選びには十分気をつけようと思います。不快にさせてしまって申し訳ないです。 (2019年12月29日 11時) (レス) id: 4d323b91c6 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - キチガイは差別用語になるので辞めてください (2019年12月29日 4時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青花 | 作成日時：2019年10月13日 23時
