第102話 神様からの贈り物。 ページ13
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奴は本気を出していなかった。いや、私達を殺そうとはしていない。さっきから私達の攻撃を避けてばかりで、彼方からは全く攻撃して来ない。
『何のつもり…。』
「教えて欲しいか？」
『っ！』
__の呼吸 弍ノ型……。
「その呼吸も見飽きたな。」
『！？ ガッ！』
「A！！」
型を出すのが間に合わなかった。その所為で、首を掴まれてしまった。こんな状況、奴なら一握りで殺してしまえる筈なのに、気道を塞ぐだけで留めを刺さない。
何で殺さない？神様がそうさせている？それとも他に理由がある？意味がわからない。
「…フッ。では、教えてやろうか。何故、私が貴様らを殺さないのか。」
「其奴を返せ。」
「うるさい。黙れ。大人しくしろ。さも無いと、こいつを殺すぞ。」
『カハッ！』
「っ！」
首を締める力が強くなった。やばい。息が出来ない。死ぬ。やばい。やばい。
「ああ、その羽の簪、つくづく嫌になるなぁ。神に愛された者など、皆死んでしまえば良いのに。何故、よりによってこいつらなのか。青い彼岸花の在り処。貴様達なら、いずれ思い出すであろう。」
『っ！？ ゲホッ！ゲホッ！』
「A！」
奴が急に手を離したかと思えば、重力に従って、身体が地面に叩きつけられる。すぐに馨くんが駆け寄って来て背中をさすってくれるが、上手く息が出来ない。苦しくて視界がぼやける。
「早く思い出せ。」
「逃すか！」
奴はそう言ってニヤリと笑った。そこへ、蜻蛉さんが刀を振るうも、それを軽々と避けた奴は何処かへ消えて行った。
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奴が去った後、私達は近くにあった藤の花の家紋の家で休息をとった。と言っても、此処に来て、まだ数分程しか経っていないのだが。
「痕が付いちまったな。」
「大丈夫か。もう痛い所はないか？」
『うん。もう大丈夫だよ。ありがとう。痕は…何かで隠します。』
2人によると、掴まれた所に痣が出来てしまっているらしい。いや、どんだけ強く締めてんだよ。よく死ななかったな。奴、見かけに寄らず、そこら辺の加減を良くご存知である。
しかし、傷を負ったのが私だけとは、まさに奇跡の生還である。蜻蛉さんの幸運のお陰か、それとも神様が何かしたのかは分からないけど。
「まあ、良かったなぁ。皆無事で。俺と馨に至っては無傷だし。」
『まじそれな。』
「それな。」
因みに、2人の前ではバリバリ現代語を使っている。だから、偶に馨くんも略語や横文字を使って来る。
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青花 - 和さん» ご指摘ありがとうございます！！また誤字脱字とうありましたらお願いします！！ぜんぜん図々しいだなんてないですよ！！ (2020年3月7日 22時) (
レス) id: 08bd86448d (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - この小説をいつも楽しく拝見しています。一つ気になるのですが、百二十八話で名前変更のところが間違っている気がします。図々しかったらすみません。 (2020年3月5日 18時) (レス) id: 07f735fd12 (このIDを非表示/違反報告)
青花 - 涙さん» そうですよね。ごめんなさい。直しておきました。今後、言葉選びには十分気をつけようと思います。不快にさせてしまって申し訳ないです。 (2019年12月29日 11時) (レス) id: 4d323b91c6 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - キチガイは差別用語になるので辞めてください (2019年12月29日 4時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青花 | 作成日時：2019年10月13日 23時
