おおかみさんと…

#7* ページ8

SideF


ﾊﾟﾀﾝｯ


遠くで聞こえる音で少し意識が戻る。


F「…今何時…」


そう思って時計を見ようとすると…


F「…わたる??」


一緒に眠っていたはずのわたるがいない。


急いでﾘﾋﾞﾝｸﾞに行くと


『もうおそとがくらいのでかえります。
ごちそうさまでした。
わたる』


と可愛らしい字で書かれた紙が机の上に置いてあった。


さっきの音はﾄﾞｱが閉まる音だったのか!!


F「急がなきゃ!!」


そう思って上着を羽織り、椅子にかけてあったｽﾄ-ﾙを手に取り走り出す。


この時期は昼と夜の寒暖差が激しい。


さらにこの森は冷えるからわたるの格好では風邪をひいてしまう。


しかもこの時間帯は俺達狼が活発になる時間だから危険なんだ…


F「わたるの足ならまだそう遠くへは行ってないはず…!!」


そう思って森の中を走っていると…


Y「やぁっ…
はなしてぇ…」


F「っ!!
わたるっ!!」


わたるの声がした方に走り出す。


わたるを見つけると2匹の狼に連れて行かれそうになっていた。


泣きながら必死に抵抗しているが小さいからあまり意味をなしていない。


見るとどちらもまだ17歳になっていない狼達。


こういう若いのは質が悪いんだ…


間に合ってよかった。

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