揺らめく目の女【沖田総悟】

77.要求 ページ29

「ーーー真選組にはついさっき脅迫状を送った...奴らが来るのも時間の問題だ」



なぁ？もうすぐお仲間とご対面できるぜ？



(...真選組に、脅迫文が)



お人好しのあの人たちのことだから、足手まといの私のことでも絶対に見捨てないだろう。


きっと、なにがなんでも私を助けようとするはずで、その為ならなんでもする、と犯人に言いかねない。


......自惚れている、と思われるかもしれないけれど、彼らのことを随分前から調べていた私にはわかる。


...彼らは「お人好し」なんて言葉で片付けられるような人たちではなくて。


他人のために自分を犠牲にできるような、今の時代では少し珍しいくらい真っ直ぐな正義感の持ち主なのだと、私は知っている。



...そしてそれは、当然敵対したコイツらも知っているわけで。



助けに来た真選組に、私がコイツらの立場だったら間違いなくこう要求する。






(.....この娘の命を助けたければ、ーーー真選組局長を殺せ)






...そんなこと、させない。

絶対に彼を死なせはしない。





......そう、どんな手を使ってでも、彼の命を守るんだ。

......どんな手を使ってもね。

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