60.どれだけの ページ12
「悪かったアルな、クソサドのメス豚なんて失礼な事言って」
「いえ、お気になさらず……そんな連想を真っ先にさせるような行いをしていた私たちにも非がありますので」
結局、誤解を解いた後彼らは私の膝から沖田隊長をどけるのを手伝ってくれた。
そして今は大広間に向かうべく、廊下を歩いている最中だ。
「にしても男だらけのムサい集団の中に女の子が居たとはねぇ、それもかなりのべっぴんさん」
そう言って伸びをするのは、自称社長の坂田銀時。
今のところは、お茶を出そうとしたら苺牛乳を要求して来た遠慮のない男という印象だ。
「そうネ!こんなところに女の子一人放り込むなんて何考えてるアルかポリ公ども!」
特徴的な口調でそう叫んだのはチャイナ服を来た少女、神楽。
可愛い顔をしているのに、初っぱなの「メス豚」発言で若干トラウマ気味だ。
「でも、真選組って女隊士禁制じゃありませんでしたか?隊服も来てないようだし、女中さんの娘さんとかじゃ……」
そう的外れな予想を立てる少年は志村新八。
残りの二人が堂々と居座ったのに対し、真っ先に不法侵入を謝罪した割とまともそうなメガネ。
中々個性的な面子だが、どうやら近藤さんに用事があって訪ねて来たようだ。
……坂田銀時の右手にふんどしらしき物が握られているが、まさかそれが届け物なのだろうか。
「Aちゃ〜ん、Aちゃんって何で真選組に居るの?」
間延びした声で聞いてくる坂田銀時。いきなりの名前呼びに一瞬戸惑ったが、平静を保って答える。
「本来、真選組は女隊士禁制だそうですが私は特例で隊士として入隊しました。現在は一番隊副隊長です」
「えぇっ!?あの沖田さんの下で働いてるんですか!?唯一の女隊士が!?」
「マズいネ銀ちゃん!このままだとAがクソサドの餌食になるアル」
「あの沖田君の事だ、もう既に計画を練ってるかもしれねーぞ」
私の言葉を聞いて焦ったようにごにょごにょと作戦会議をする万事屋御一行。
(沖田隊長どれだけ警戒されてるのよ……)
一体どれだけの悪事を積めばこんなに人に疑われるのだろう……なんだか沖田隊長が信じられなくなりそうだ。
206人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁(プロフ) - 勿忘草&緋澄さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします! (2019年7月30日 14時) (レス) id: 0c36e798c1 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草&緋澄 - 面白かったです!次の更新楽しみに待ってます!! (2019年7月30日 10時) (レス) id: 2acf9eff50 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - kamiyakazi725さん» ありがとうございます!私もこの作品は特に思い入れが深いのでしっかり納得いく文章を書けたら公表いたします!それまでどうかお待ちくださいm(_ _)m (2018年7月12日 6時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)
kamiyakazi725 - とても面白かったです!次の更新お待ちしてます!夢主ちゃんいいですね!大好きです!副長も沖田君も大好きなのでもううはうはですよ←これからも頑張って下さい! (2018年7月11日 23時) (レス) id: 7058246684 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 霜夜華さん» 素敵な表紙をありがとうございました!またお願いする機会があればその時もよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年7月9日 16時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月11日 18時