不思議な目の女【沖田総悟】

46.宴会 ページ47

「宴会、ですか」





寒さがまだまだ引かない三月某日。冷気から身を守るように上着を一枚羽織り、机に向かって書類を片付けていると突然襖の外から「Aちゃん、いるかな？」と声がかけられた。



筆を置いて立ち上がり、襖を開けるとそこには近藤さんが立っていた。





「どうしましたか？近藤局長」

「ひとつ、君に知らせなきゃならないことがあってな」




部屋の中へと近藤さんを招き、座布団とお茶を用意する。どうぞ、ありがとうと一通りの挨拶が終わったところで彼から切り出された話は、予想だにしないものだった。





「宴会、ですか......」

「あぁ。明日の夜に開こうかと思っている」





警察が平日にどんちゃん騒ぎをしてもいいのか、という事にはあえて突っ込まず、近藤さんの言う言葉を脳内で繰り返し再生する。

そして、たどり着いた答えがひとつ。






「ーーーえっと、何本くらい必要ですか？」

「え？」

「え？」






それに対する返答を口にした結果、お互いがお互いの顔を見つめ、固まると言う異様な状況が出来上がってしまった。




......あれ、会話、噛み合ってなくない？

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