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42.知りたい ページ43

彼が、土方十四郎が、私と同じ_____妾の子。
その事実は、私をかなり動揺させる物であった。






「だから、野郎は君に仲間意識に似た物を持っていた……のかもしれないな。

じゃなかったら、あいつが娘ッ子一人のためにあんなに必死になる筈がねえ」






必死、と聞いてそんな彼を想像してみようとするものの、全く想像できない。
だが、長い間彼と苦楽をともにし、彼を知り尽くしたこの男が言うのならば、きっと本当の事なのだろう。








「俺たち赤の他人じゃ、君の今までの苦労は分かってやれない。だがな、トシは君の心の傷を
理解した上で、君を生かす方針をとった。死ぬ前最後の余興だとでも思ってくれればいい。

どうか、あいつのお人好しに付き合っちゃくれねえか」








この通りだ、と頭を下げる彼の後頭部を呆然と見つめながら思う。貴方もお人好しじゃないの、と。





(いや、彼ら二人に限った話ではない。)





二人から話を聞くと、私に働かせるという名目で居場所を作った真選組そのものが、……お人好しで、情に厚い人たちの集まりなのかもしれない。

”人斬り集団”、”冷酷非道”___彼らを表すマイナスイメージの形容詞は調査の過程でたくさん見かけたけれど、とんでもない。



彼らは……馬鹿みたいに、優しさであふれた暖かい人たちだった。







(甘えても、いいのかな)






触れた事の無い類いの想いに、戸惑いながら手を伸ばす。






「____近藤さん、」






彼らと出会ってから、私は初めて経験することばかりだ。


この胸に渦巻く暖かな感情がなんなのか、

なぜ誰も信じないと閉ざした心が開きかけているのか、

なぜ、毛嫌いしていた筈の人の温もりを心地よいと感じるのか、




……知りたい。









「これから、よろしくお願いします」









私は、「真選組一番隊副隊長 神谷A」。


一度は捨てたこの命、最大の敵にして恩人である_____真選組に、捧げよう。

43.まずい 近藤side→←41.放っておけない



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霜夜華(プロフ) - 表紙のイラスト描きました。…が、ちょっと面倒なことが起きてまして…。お手数ですが、ボードの方にお邪魔しました。本当ごめんなさい!m(_ _)m (2018年2月28日 18時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 和歌青さん» ありがとうございます!14歳...少し子供すぎるかな?と思いましたがどうしてもお話の都合上あの子と同い年にしたかったんです(苦笑)これからもよろしくお願いします! (2018年1月9日 15時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)
和歌青 - 14歳…なの 面白過ぎる (2018年1月9日 5時) (レス) id: 896b7265bd (このIDを非表示/違反報告)
毒舌狼 - うんいいよ〜 (2017年12月18日 14時) (レス) id: e0161950e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 毒舌狼さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2017年12月18日 7時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月30日 18時

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