不思議な目の女【沖田総悟】

4.妙な事件 沖田side ページ5

「あのぉ、副長。１つ報告したいことが......」


おずおずと手を挙げたのは山崎。


「なんだ？山崎、言ってみろ。」


土方さんが発言の許可を下すと、山崎はその場で立ち上がり、手元の書類に目を落としながら話し始めた。


「今回粛清をする廃ビルの近辺で、何やら最近妙なことが起きてるんです。」



「妙なこと？」



「はい、何やら浪人が次々と殺されているそうで、役人が通報を受けて駆けつけた時には既に浪人は武器を全て取られた状態で遺体として発見されているそうです。」



(武器を全て剥ぎ取る、ってことは......単なる辻斬りや通り魔による快楽殺人ではねぇってことか)



「目撃者の情報によると、黒いフード付きのコートを着た人影が、浪人の背後から忍び寄り脳天を一刺ししていたそうです。
その後、浪人の遺体から何かを取ると、あっという間に立ち去って行った、とのことです。

今回粛清するまでの道のりは隊ごとに分かれて、帰りは全員で歩くのでそんなに心配することはないと思いますが、念のため頭に入れておいてください。以上です。」


山崎が座るのと入れ替わりで土方さんが立ち上がり、解散の合図をした。


次々と隊士が部屋から出ていく中、俺は山崎を呼び止めた。


「おい、ザキ」


「なんですか？沖田隊長」






「その黒フードの野郎についてもっと詳しく教えてくれィ」

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