14.江戸の守護神の強さ ページ15
辺り一面が、何もかも飲み込むような深い闇しかない。
そんな空間の中で息を殺せば、わずかに聞こえる人の話し声。
(_____計画どおり)
その声を合図とし、手元のボタンをカチリと押す。
すると、今いる位置からそう遠くない場所____あらかじめ用意しておいたラジカセから、
先ほどの真選組と浪士たちの銃撃戦の音声と、私が斬り殺した人たちの断末魔が流れた。
何度も試行錯誤を重ねて立てたこの作戦。
彼らは面白いほどに引っかかってくれた。
先ほどの無数の弾丸から逃れたと思った矢先に起こったこの事態だ。
頭が回る前に体を動かしている状況に陥っているはず。
_________だから私は、そこを狙うんだ。
「……そろそろね」
静かにロッカーの扉を開け、スイッチを投げ捨てると同時にあたりの様子を確認する。
すると、目の前には真選組隊士達があわてて走っていった証拠である無数の間隔の大きな足跡。
その足跡にそって視線を這わせると、そこには大階段が。
(ここまでは順調に進んでいるわ____ここから先、事態がどう転ぶかは)
足跡に視線を定めたまま、右腰についている鞘から刀を取り出す。
シャキン、と少年漫画よろしくの音を奏でながら姿を現した刀は、僅かに差し込む月明かりを受けて淡く光り輝いていた。
フードを深くかぶり直し、大階段に向かって足をすすめる。
(____江戸の守護神、真選組。)
世間ではチンピラ警察24時と揶揄されるほどの荒くれ者の集まりだと聞いている。
確かに、噂どおり化け物レベルの強さを持っているようだった。
私が協力した攘夷浪士達___といっても利用しただけだけれども。
彼らの飛び道具の所持は真選組には予想外だったはず。
それなのに、彼らは無駄な死人を一人も出さずに絶対的不利な状況をいとも容易く覆してしまった。
銃が通用しないのならば、やはり肉弾線になるだろう。
つまり、
「……私の腕っ節だけがたより、ってことね」
その言葉と同時に階段を駆け上がる私の目の前には、無防備にも背中をがら空きにした数人の隊士達の姿があった______。
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霜夜華(プロフ) - 表紙のイラスト描きました。…が、ちょっと面倒なことが起きてまして…。お手数ですが、ボードの方にお邪魔しました。本当ごめんなさい!m(_ _)m (2018年2月28日 18時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 和歌青さん» ありがとうございます!14歳...少し子供すぎるかな?と思いましたがどうしてもお話の都合上あの子と同い年にしたかったんです(苦笑)これからもよろしくお願いします! (2018年1月9日 15時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)
和歌青 - 14歳…なの 面白過ぎる (2018年1月9日 5時) (レス) id: 896b7265bd (このIDを非表示/違反報告)
毒舌狼 - うんいいよ〜 (2017年12月18日 14時) (レス) id: e0161950e8 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 毒舌狼さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2017年12月18日 7時) (レス) id: 5360f6898a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月30日 18時