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翌朝、こんのすけが離れの部屋を訪れると、Aは、『ゆっくりお休みください』と言われた後、畳に寝転がったままの状態でそこにいた。


こんのすけがゆっくりと近寄り、肩の上に前足を置き、声をかける。


「クロユリ様、よく眠れましたか?」


「……」


無言で起き上がったAは、こんのすけを見てゆっくりと頷いた。


しかし、寝ていたのかどうかも怪しいところである。


だがこんのすけは、それを思わないふりをした。


「本日より、審神者の業務を行っていただきます。業務については説明した通りなのですが、覚えていますか?」


「本丸の修繕、刀剣男士の手入れ、出陣、浄化、鍛刀」


「その通りに御座います。ではまず……」


「……式神」


こんのすけが言っている途中で、Aは、袂から人の形をした何枚もの紙を取り出した。


「………」


ぶつぶつと祝詞とを唱え、ふっと息をかけると、吹き飛ばされた紙は床に着く手前で人型の式神へと姿を変えた。


Aが紙がなくなるまで息を吹き続けると、床は数十もの人型で埋まった。


「本丸の修繕……」


つぶやくようにAが言うと、人型たちは障子をあけ、外へと出て行った。


こんのすけは、ぽかんとその様子を見ていた。


Aが自ら行動し始めたことに驚いたのだが、それが政府からの命令の順番であることに気付くと納得し、静かに、どこか悲しげにその様子を見守っていた。


「………次……手入れ……式神……」


今度は、懐から鳥の形をした紙を取り出した。


「…………」


先ほどとは別の祝詞を唱え、ふっと息を吹きかける。


紙は、鳥へと姿を変え、バサバサと羽ばたき、部屋の外へ出て行った。


「……終わり」


一瞬にして終わってしまった、最も厄介な二つの仕事。


手入れも本丸の修繕も、本来ならば刀剣男士と協力して行うものであるのだが、それを1人でやってしまったのだ。


こんのすけは、Aの力の凄さを改めて感じていた。


「次……」


「きょ、今日はこれくらいにしておきましょう」


このままでは一人で出陣しかねないと思ったこんのすけは、あわてて止めた。


「ご自身にのみ、結界を張ることはできますか?」


「…………」


左手の人差し指と中指を立て、口元に寄せ、ぶつぶつと祝詞を唱えると薄い膜のようなものがAを包んだ。


「それでは、この本丸内を案内しますので、ついてきてください」


「……」


Aは、無言でうなずき、立ち上がった。

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藍央(プロフ) - そうですか、すいません余計でしたね。 (2019年3月4日 12時) (レス) id: 3d1ad82df4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 藍央さん» 申し訳ありませんが、キャラクターの性格、話し方等の指摘は受け付けておりません。詳しくは続編に書いてありますが、私も私なりの考えのもと書いています。ご了承お願いいたします (2019年3月3日 23時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
藍央(プロフ) - 江雪や宗三の話し方はわざとですか?仲間の刀剣男士には普通に喋ってもいいと思うのですが… 話はすごく面白いです! (2019年3月3日 21時) (レス) id: 3d1ad82df4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» お気遣い、ありがとうございます(^^)私は、気にしないようにしているので、今後、もしまた悲しいコメントがあったとしても、放置してしていただいて構いません。いつも読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m (2019年2月26日 9時) (レス) id: 3090af0f06 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - ブラッディ・ドリーマーさん» 返信ありがとうございます。文面がちょっと受け取る側からしたら火に油を注いでるように感じたかもしれません。喧嘩をするつもりはありません。今後、このようなコメントがなくなると良いですね。 (2019年2月26日 9時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき | 作者ホームページ:    
作成日時:2019年2月7日 16時

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