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「『主』よ、聞いてもいいか？」
「何？」
三日月宗近の翳れは全て消えていた。
だが、三日月宗近が手を握るせいで、Aの右手は三日月宗近の頬に添えられたままだった。
「俺は、救われてもいいのだろうか？」
「知らない。それは、貴方が決めること」
「そうか。では、俺は救われるのか？」
「知らない。それは、貴方の意思次第」
「そうか。では……」
三日月宗近は、Aの手から手を離し、今度は三日月宗近がAの頬に手を添えた。
「俺は、綺麗なのか？」
身長差により、三日月宗近を見上げることとなったAの瞳いっぱいに、三日月宗近の顔が映る。
恐怖に怯え、不安でいっぱいの顔が。
天下五剣で最も美しいと評される三日月宗近。
己の身が穢れ、醜いのではないかと、未だに心配が拭えない瞳だった。
「……綺麗」
Aはただ一言、そう言った。
他の飾る言葉などいらない。
いや、Aの口からそれが出るはずもない。
だが、その一言こそ、三日月宗近が望んでいた解答であった。
「俺は美しいのか？」
「美しい」
三日月宗近の瞳からポタポタと大粒の涙が溢れ、Aの鼻筋に落ちた。
「そうか、俺は、まだちゃんと美しいか」
嬉しそうに、そう言った。
頻繁に夜伽の相手に扱われ、醜く、穢れた己を呪い、救われたいと願った三日月宗近は、『美しい』と言われ、それだけで、ほんの少し救われた。
「そうか、俺は、まだ美しいか」
「まだじゃない。ずっと」
Aが言った。
「ずっと貴方は美しい。
ただ、自分で自分を卑下していただけ」
ぼたぼたとAの顔が濡れていく。
「自分の評価を決めるのは他人じゃない。
自分がどう思うかによって変わる。
自分が醜いと思えばそうなるし、美しいと思えばそうなる」
「俺が醜いのは、俺がずっと醜いと思っていたからだというのか？」
「そう」
涙で顔をぬらしながらAは頷いた。
「言葉は呪い、思いも呪い。
呪いともいえない呪いだけど、それは一度思ってしまえば、口に出してしまえば、その人に一生付きまとう。
言った人、言われた人。思った人、思われた人。
貴方は自分で自分のことを呪っていた」
「その呪いを解くことはできるのか？」
「もう、解けている」
「主が解いてくれたのか？」
「違う。
その思いの呪いは、自分で解く以外に方法はない。
だから、貴方が解いた」
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藍央(プロフ) - そうですか、すいません余計でしたね。 (2019年3月4日 12時) (
レス) id: 3d1ad82df4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 藍央さん» 申し訳ありませんが、キャラクターの性格、話し方等の指摘は受け付けておりません。詳しくは続編に書いてありますが、私も私なりの考えのもと書いています。ご了承お願いいたします (2019年3月3日 23時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
藍央(プロフ) - 江雪や宗三の話し方はわざとですか？仲間の刀剣男士には普通に喋ってもいいと思うのですが… 話はすごく面白いです！ (2019年3月3日 21時) (レス) id: 3d1ad82df4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» お気遣い、ありがとうございます(^^)私は、気にしないようにしているので、今後、もしまた悲しいコメントがあったとしても、放置してしていただいて構いません。いつも読んでいただき、ありがとうございますm(＿ ＿)m (2019年2月26日 9時) (レス) id: 3090af0f06 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - ブラッディ・ドリーマーさん» 返信ありがとうございます。文面がちょっと受け取る側からしたら火に油を注いでるように感じたかもしれません。喧嘩をするつもりはありません。今後、このようなコメントがなくなると良いですね。 (2019年2月26日 9時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月7日 16時
