悟が彼女泣かせた件について。【五条悟】 (ページ6)

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「……悟、言いすぎだ。」

「チビにはこれがちょうどいいんだよ。」

『………殺意が湧いた。』

「ステイ、A。」

口ではこう言ってるけど、
真面目にお腹痛くなってきた。
だけど、今更帰るなんて言えばまた
絶対からかわれる。それは癪だ。

だんだん家の兄貴たちに見えてきて、
あぁ、こんな風に末っ子の私をからかってきたっけ。
………あーあ。

私の真正面で悪態を突く悟。
兄貴と重なってしょうがない。

「2級呪霊に手こずるなんて落ちぶれた？」

『………。』

「俺にも勝てないからなぁー。」

「悟、限度があるだろ。Aだって、」

「なんで術師やってんの？」

がたっ

傑が止めてくれてるとか知らない。
音を鳴らして、俯きながら椅子から立った。

いい加減ムカついてムカついて。

・・・・・・・・・・
あんな奴と居たくねぇ

『…………俺だって、好きで術師やってねぇし！！』

「………は、」

やんわりと止めてくれた硝子。
こんなことに怒ってくれた傑。
さんざん馬鹿にした「五条」も、
流石に口を閉じて、素直に驚いていた。

やらかした。
なんかい同じことをしたっけ。

よく分からないけど、目には涙が溜まって。
なんとなく、もう嫌で。

最悪で。

『………五条の馬鹿！！もう大ッッ嫌い！！！』

気づいたらそう言ってて、
気づいたら教室を出てて。

「A…！！」

硝子が驚いた顔をしてから、
私とワンタッチ遅れて教室から出てくる。

五条なんてもう知らない。

気づけば涙がぽろぽろ溢れてきて、
走りだそうとした足も、気づけば止まって。
腹痛は何故か気持ち悪くなっていて。
頭も痛くなってきたような気がして。

廊下は冬だからひんやりと空気が凍ってて。
立ってるのももう辛くなってきて。
涙のせいで視界はぐちゃぐちゃになった。

もうなんでもいいや。

立つのもままならないこの体で、
しゃがむのも面倒になったその時、
後ろから硝子達の声が聞こえて。

安心したのかは知らないけれど。
振り向こうとして、ぐらっと体が傾く。

「……Aッ！」

最後に見えたのは、
大っ嫌いな、サングラスの奥の眼で。