悟が彼女泣かせた件について。【五条悟】 (ページ34)

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３４　　選んだ本音。」ページ34

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『……それで、話って？わざわざ店でする事？』

「…店じゃなくてもいいけど、早々に見つかりたくはないからね。」

『……硝子あたりが聞いてそうだけど、一応聞くよ。
　―――――………呪詛師って、本当？』

「はは、硝子にも言われたよ。ホントさ。」

『なんで……って聞きたいけど、もう知ってるからなぁ。』

「聞けばいいじゃないか、何度でも言うさ。」

『あーあ、傑も悟に似てクズかぁ…ざーんねん。』

砂糖2つのコーヒーを啜る。

何時もなら4つくらい入れてるけれど、
傑の前なので何となく数を少なくするけれど、
意味はないと思う、コーヒーの味がしない。

傑は、本当に呪詛師になってしまった。
案外コーヒーの味が分かるのかもしれない。
心の中はその苦い味でいっぱいだった。

『……要件の前に…悟には会ったでしょ？どうだった？』

「………。」

そう聞けば少し黙る傑。
何かあったのは知っている。

悟から連絡がこないんだから。

「……Aは、」

『………。』

「…最強だから五条悟なのか、五条悟だから最強なのか。どっちだと思う？」

『……面白いねぇ、優等生は違うなぁ…。』

「……で、クズの彼女さんはどう思ってるのかい？」

『……五条悟だから、最強なんだよ。悟は。』

「なんでそう思う？」

悟の真面目な顔を何度か見た事があった。
任務中だったりただのコンビニスイーツの賭けだったり。
理由がくだらなかったりしても、何度か見てきた。

今でも鮮明だ。

きっと、五条悟という人間が生まれてきた時点で
アイツはもう、きっと最強だったんだよ。
私達が、憎めない位。
幾ら馬鹿でもうざくても。

『きっと……アイツは…、五条悟だからだよ。
　クズで馬鹿で強い五条悟だから、最強なんだよ、きっと。』

言えない。

あんなに背中を押した台詞を言っておいて、
今更術師に戻ってきてほしいだなんて。

ああ、苦しい。

振動で苦いコーヒーと私の心が揺れた。