【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい2

呪78 ※オリジナル設定あります ページ33

どうしよう。どうしよう。

どうも出来ない。

終わりなの？

お兄ちゃんを守れずに終わり？




“僕を信じればAにできないことは無い”




お兄ちゃんを…守る…




そのためにはもう…自分の命を賭けるしかない。

自分を、呪うしかない。




__自呪。

それは自分自身を呪術の対象としてその身代を生贄にする代わりに特級呪霊さえも瞬殺する大きな呪力を得ることができる1度限りの秘術。

しかしそれは身体に負担がかかるかなり危険な術であり呪術界では“禁忌”…そして“禊”とされている。



…ここで死んでも後悔はない。

お兄ちゃんを守ることが出来るのならば。

お兄ちゃんが死ぬほうがよっぽど後悔が残る。

どうせ1度は封じられた身。

なにを怖いことがあるのか。

気持ちよく死んでやる。





悟｢A…？何してるの？｣



『禊有る者贄となりて穢れ無くばその身を返さざらん』



悟｢A！何してる！！やめろ！！！｣



自呪の呪文を唱えた瞬間、体に強い圧力がかかって立っていることさえままならない。

重い、痛い、苦しい…！



『…っはっ…』



辛くて泣きたくなるような痛みに体が支配されるのに逆に神経の隅々にまで力が漲るような変な感覚がする。


…今なら…できる。


お兄ちゃんを殺す為に編み出した私の最終秘術をお兄ちゃんを守るために今使う。




『秘悳恩呪 禊式 歔欷哀捩』




1粒の涙が観音の持つ花のように大きくなって獄門疆をぶわんと包み込む。

私の持てる呪力の最大出力が必要なこの技は中に包み込んだ物__人も四方八方から強力な力で引っ張られ捻り曲げられるような状態になる。



お願い…！壊れて…！これで壊れなかったら終わりだ…！！



バチバチッと火花が散るような音が聞こえた…かと思ったら私の身体は獄門疆と歔欷哀捩の呪力がぶつかり合った衝撃で遠く後方に飛ばされた。



『がっ…！』



体に電流が流れたような痺れと痛みが走って意識も薄れていくのがわかった。

そのうちプツンと糸が切れたみたいに力が抜けて飛ばされている感覚さえ手放してしまいそうになる。


…あぁ…限界だ。

自呪の代償を支払う時が来たんだ。

もう少し長く持つかと…思ってたけどな…

獄門疆も今の私みたいに飛ばされたようだけど壊れたのかな…？

お兄ちゃんは…大丈夫…かな…？







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読み方:秘悳恩呪(ﾋﾄｸｵﾝｼﾞｭ) 禊式(ｶﾂｼｷ) 歔欷哀捩(ｷｮｷｱｲﾚｲ)

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