呪77 ページ32
指で印を結んでその呪いを言葉にして空気に溶かした瞬間帳のように闇が生得領域を塗り替えていく。
暁闇みたいな黒がじわじわ広がる。
白い花びらが冬に降る遠慮気味の雪みたいにゆっくり舞い落ちる。
…できた!
これが私の領域展開…!!
…だけど領域の境界から呪力が漏れ出てる。
まだまだ未完全だな…
って今はそんなこと考えてる場合じゃない。
次はこれを…一気に壊す!
無駄な呪力の消費がないように1点だけに集中して!
『領域展開 解呪』
手のひらに1粒涙を落とし撹拌するように呪力を作り出して大声で叫ぶ。
できた呪力の塊を真上に放つとパキッと音を立てて領域の狭間にヒビが入った。
一筋のひび割れが大きくなってやがてガラスのように領域展開が一瞬の内にして消え失せた。
お願い…!これで正解であってお願い…!
これが間違いだったら…もう私には何も出来ない…!!
と、その時。
『…っ!?』
重力に反発する上向きの力が私をぐいっと引っ張った。
なにかに正しい場所に引き戻されるような感覚に私は成す術もなくその力に従属するしかない。
すると前方から“うわあああ”と大きな叫び声が聞こえてきて私とは逆方向___下に引っ張られていく“私”と一瞬すれ違った。
“私”【な、なんでよっ!!今がチャンスだったのに!
なんであんた如きが先生の縛りを破るのよ!!?】
それなら…これが正解?
いや違う!“今がチャンス”ということは獄門疆が開くのかもしれない!
急いで戻らないと…!
そんなことを考えて焦っている間にふわふわしていた身体の意識がパズルのピースがハマるようにはっきりした。
視界に映るのは星が瞬く夜空。
皮膚を撫でるのは清々しい新鮮な風。
そして脳が感じ取るのは…強い呪力のぶつかり合い!!
私、戻ってきたんだ!身体を取り戻した!
自由に操れる!
縛り解放の喜びに浸っているとゆくりなくも声が聞こえた。
「獄門疆 かい__」
『っ霸涙!!!』
聞こえたのは、先生の声だった。
私の後ろにいたお兄ちゃんの足元に転がる箱に向けて先生が言葉を言い終える前に技を飛ばす。
だけど。
バチッッ!!
…攻撃が…弾き飛ばされた…?
…弱すぎるんだ…
私の呪力が獄門疆にとっては弱すぎる。
先生の言葉を止められたからいいもののどうしよう。
私の身体はたった今、統主を交代したばかりだしもうまともな攻撃できるほどの呪力は残ってない。
562人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lotus_r(プロフ) - 語彙力無のネコさん» こんにちは、!作者です!めちゃめちゃ遅い返信になってすみません泣そう言って貰えると嬉しいです、、読んでいただいてありがとうございました! (5月8日 15時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
語彙力無のネコ - 今まで見てきた夢小説は殆どが、「本物の夏油」が出てくるやつか、闇落ちしてない夏油がてでくるやつだったから、新しいかんじがする((語彙力無 (2022年9月17日 8時) (レス) @page1 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
琴都 - お疲れ様です!おお、いつでも待ちます、!^_^ (2022年1月25日 9時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - あいうえおさん» あぁっ!すごく嬉しかったですありがとうございました( ᵕᴗᵕ )面白かったと言ってくれる方がいると本当に嬉しくて力になるのでとても感謝です。イラストもありがとうございましたm(_ _)m (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - 琴都さん» 最後まで応援ありがとうございました~!やっと1作品終わったので少しゆっくりしようかと思ってたんですがちょっと新しい話のアイディアが湧いて創作しようか迷ってます…笑 (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lotus_r | 作成日時:2021年4月4日 12時