呪50 ページ4
『…ううう…っっ…お兄ちゃん…っ！』
悟「A、泣かないで。
泣くぐらいだったら、ほら、僕のこと早く殺しちゃてよ。
Aに殺されるのはいいけど、Aの涙だけは見れない｣
『お兄ちゃん…お兄ちゃん、』
本当に、酷い。
どうして、こんな時に限ってこんな事しか思い出せないの。
“A！”“Aは今日も可愛いなぁ〜！”
“Aは僕の1番の宝物だよ”
思い返せばいつだって、私の名前を呼んでくれたのはお兄ちゃんだけだった。
いつだって、私に逢いに来てくれたのはお兄ちゃんだけだった。
涙で生成された短剣がボロボロと崩れていく。
するとお兄ちゃんは起き上がって私をぎゅっと抱きしめた。
悟「A、Aがどこにいても何を思っても僕はAのお兄ちゃんだし、ずっとずっとAを愛してるよ、だから泣かないで｣
『…っ、』
と、その時。
“A、撤退です。例の物を回収し終えたそうです。通路を開くので戻ってください”
と頭の中で花御の声が響いた。
そして、急に暗闇が広がり、その方向へ引っ張られた。
悟「A！？｣
『お兄ちゃ…、追いかけないで！来ないで！』
ここを通れば、私たちのアジトへ着いてしまう。
お兄ちゃんをあそこに連れて行く訳には行かない。
先生のためにも、お兄ちゃんのためにも。
悟「だけど！！｣
『お兄ちゃん、ありがとう』
そう、言った瞬間、私は完全に通路の中に取り込まれ、扉は閉じた。
帰ってきてから暗い部屋で1人でベッドに座っていた私はずっと自分と向き合っていた。
今日のことがあって私は自分の気持ちに気づいてしまった。
まだ、完全にお兄ちゃんを捨てきれていない気持ち。
先生を敬い、慕う気持ちに嘘はない。
だけど私をただひたすらに大切に思ってくれるお兄ちゃんを恨んで憎み切ることが出来ていない。
もちろん復讐はしたいし、以前のように慕っているわけじゃない。
だけど……
傑「おかえり、A｣
不意に先生の声が聞こえて顔をハッとあげた。
傑「聞いたよ、五条悟を殺せなかったそうだね｣
『…先生』
先生は笑顔で私の隣に座ると私の頭にそっと手を乗せた。
傑「…まだ、五条悟を忘れきれてないのかな？｣
『…っ、先生それは』
と、言いかけたその時、先生が自分の口で私の唇を塞いだ。
『…っん、』
あれ？なんか、息が…
!?息ができないっ、苦しい…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 562人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lotus_r(プロフ) - 語彙力無のネコさん» こんにちは､！作者です！めちゃめちゃ遅い返信になってすみません泣そう言って貰えると嬉しいです､､読んでいただいてありがとうございました！ (5月8日 15時) (
レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
語彙力無のネコ - 今まで見てきた夢小説は殆どが、「本物の夏油」が出てくるやつか、闇落ちしてない夏油がてでくるやつだったから、新しいかんじがする（（語彙力無 (2022年9月17日 8時) (レス) @page1 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
琴都 - お疲れ様です！おお、いつでも待ちます、！^_^ (2022年1月25日 9時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - あいうえおさん» あぁっ！すごく嬉しかったですありがとうございました( ᵕᴗᵕ )面白かったと言ってくれる方がいると本当に嬉しくて力になるのでとても感謝です。イラストもありがとうございましたm(_ _)m (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - 琴都さん» 最後まで応援ありがとうございました~！やっと1作品終わったので少しゆっくりしようかと思ってたんですがちょっと新しい話のアイディアが湧いて創作しようか迷ってます…笑 (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：lotus_r | 作成日時：2021年4月4日 12時
