【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい2

呪75 side:五条悟 two weeks later ページ30

大好きだった。

本当に。


離れに閉じ込められていつも寂しいはずなのに僕の顔を見ると春の風が花を咲かせるみたいにふわっと笑うところとか絶対に夢を諦めないところとかAは僕の人生の宝物。


いつから…間違ってしまったのだろうと何度も考えるけどもう今はそんなことより早くAを解放してあげたい気持ちが強い。


今日、僕はAを殺す…いや封じる。


邪悪になってしまったその心さえも抱いてこれからはずっと一緒に生きてあげる。

今まで散々ひとりぼっちにしてごめん。


だから…僕を沢山恨んで嫌ってくれていいよ。

それが償いになるなら。





｢ねぇ、A。

…僕を二度と許しちゃ…ダメだよ｣



『あぁ…来たの、お兄ちゃん。

良かった私から行く手間が省けたわ』



冷めた目付きで僕を睨みながら薄く笑う妹と対峙する。

この世の全てに怨みを孕ませたような低い声。


…覚悟はもう決めた。


後悔はしてもやり遂げる。

それがAの為だから。



｢…僕は今日、Aを殺す。

死刑執行人だ｣


『ふーんいいんじゃない？

やれるものならやってみなよ。

本当に殺せるのかなぁ？

…“特級呪詛師”の私を』



怯えも怒りもなくただ愉快そうに笑うAを前にアイマスク二手をかけて六眼を解放する。




｢ごめんね…A____、｣















side:real you＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
お兄ちゃんと私の体が戦っている。

お兄ちゃん…さすがに強すぎる…！

だけど私も…この体を上手く使いこなしてここまでお兄ちゃんに耐久してるんだから舐めてかかれない…


…それより…先生がこの近くにいるはず。


私と戦闘中のお兄ちゃんの隙をついて獄門疆を開くと言っていた。


…いよいよ…領域展開をする時が来たんだ…



…怖い！！

領域展開は今の今まで1度もやったことがない…！

出来なかったらどうしよう。

失敗したらどうすればいいの？

呪力だってたったの2週間分しか貯められなかった。

本体じゃない私が捻出できる呪力なんて底が知れてる。



…そもそも私の考えが当たってなくて縛りの条件が他にあったら…



…つい先日までの強気な私はどこに行ったんだか…


お兄ちゃんを呪う。殺す。この世界から消す。


ただその思いだけで毎日必死に生きていた私。

馬鹿らしい。

お兄ちゃんはいつだって私を見てくれていた。

背中を向けていたことなんて、なかったのに…


私は___、

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