【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい2

呪63 side:real you ページ18

…ねぇ、お兄ちゃん。

私ね本当はずっと、ずっと願ってたんだ。

お兄ちゃんも、不幸になればいいのにって。

私達は一心同体で何もかも分かちあってきたと思ってた。

私は外に出れはしないけれどお兄ちゃんの外の世界の話を聞いたらもうそれだけで十分で、｢兄妹｣っていう繋がりの中に絶対的な信頼を置いてたんだよ。

…あの日までは。

私達はひとつじゃなかった。

私が知らないことをお兄ちゃんは知ってた。

私に隠してた。

私がどれほど絶望して悲しかったかわかる？

病気だろうがなんだろうがお兄ちゃんと笑い合った日々は幸せで溢れてて、その幸せをお兄ちゃんと共有できてることにまた幸せを感じてた。

なのに、お兄ちゃんは…。

18歳の誕生日から私はずっと不幸。

愛されてると思っていた先生にも私は利用されていただけだった。

どうして私だけがこんな不幸にならなきゃダメなの？

どうして私だけがこんなに辛い思いしなきゃならないの？

お兄ちゃんはこれを聞いて恨み言なら受け止めるよ、って言うんでしょ。

ううん。違う。

私は私｢だけ｣が不幸なのが許せないの。





お兄ちゃん、｢不幸｣さえも私となら分かちあってくれるよね？







side:another you＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『…っぐあっ！』

お兄ちゃんが私に飛ばした攻撃｢術式反転“赫”改撃｣。

そのおかげで体が無重力のようになり、歪んだ空間の中に引っ張られる。

体を動かすことはもちろん、息をすることさえもままならなくて頭がクラクラとした。

…これが、｢最強｣の力…！

まるで光の速さみたいに突き飛ばされた私はドスッと勢いよくどこかへしりもちを着いた。

…ここ、どこだ…？

傑｢A、随分早い帰りじゃないか。

そんなに簡単に五条悟を倒してこれたのかな？｣

…？

今、先生の声が…？

傑｢A｣

聞き間違いのように聞こえた先生の微かな声がやっぱりちゃんと聞こえて私は慌てて声の方をむく。

するとそこには、見下すように冷たく笑う先生が立っていた。

…なんで！？さっきまで私はお兄ちゃんと戦っていたのに、どうして先生がここに…

傑｢A、どうしたんだ。そんな吃驚したような顔して。

五条悟にどれほどのダメージを与えて帰ってきたのかほら、早く報告してご覧？｣

…あぁ、そういうことか。先生がここにいらっしゃったんじゃない。

私が、ここまで飛ばされたんだ。

『せん』

傑｢Aまさか、精神を取り替えてまで無能だなんて言わないよなぁ？｣

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