呪62 ページ17
『ねぇお兄ちゃん、死んでよ!ねぇ!私のために!!』
シュッと短く閃光が頬をかすめる。
一瞬間があった後に、頬を生暖かい液体が垂れて顎を伝わって地面に赤い染みを作った。
「A、1度落ち着いて!僕と話をしよう」
『話なんてすることないもん。お兄ちゃんが死んでくれたら済む話だもん!』
「A!」
…やっぱり、何かおかしい。
前に僕の抱きしめたAじゃない。
どうしてなんだ。なんでAは…。
“お兄ちゃんっ!”
記憶の中で昔のAが笑いかける。
僕はただ…Aを守りたくて…幸せにしてあげたくて…
「…A、なんでなの?」
『…だから、私、祓ってってお願いしたのにね?』
まるで、バカにしたようにAが微笑む。
その笑顔はあの頃のそれとは全く異なっていた。
なんなんだ?この違和感。…よく感じとれ。必ずヒントはあるはずだ。
…六眼。
Aの六眼の瞳の奥にギラりとルビーのような輝きが見えた気がした。
「…誰だ?」
一か八か、賭けに出ることにした。
もし僕の勘が外れているならAを酷く傷つけることになる。だけど…もし予想通りなら。
『…はぁ?何言ってるのお兄ちゃん、私は五条A。貴方の妹だよ?なんなの?急に』
「違う。お前は確かにAだ。だけど本当のAじゃないでしょ」
『やっだなぁ、おかしい話しないでよ〜
でもさぁ…お兄ちゃんの言う通り私が“本当の”Aじゃなかったとしたらなんなの?
もしそうだとしてもこの身体はAのものに間違いないのに。それなのに、傷つけられる?攻撃出来る?出来ないよね?』
「…本物は何処にいるの?」
『そんなの関係ないよ、だってお兄ちゃんはその良心のせいで死ぬんだから』
翠雨毒殺、とAが唱えると矢のような術が勢いよく飛んでくる。
僕が交わすと術が当たった木がジュウッと音を立てた。
『それはね、毒なの。
当たれば一瞬で焼け焦げたみたいになっちゃう。
すっごく痛いんだよ?だからお兄ちゃんにはその術で死んで欲しいな』
…このままじゃ埒が明かない。
ここは一旦巻くしかないな、
「A、残念だけど僕はAとやり合うつもりは無いから」
『は?』
「…術式反転“赫”改撃」
『…っ!?』
いつもの術式反転“赫”を少しだけ応用させてその時空を弾き飛ばせば、Aと僕のいる空間に距離を置くことが出来る。
それを実際にやると今まで目の前にいた妹は跡形もなく消えていた。
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lotus_r(プロフ) - 語彙力無のネコさん» こんにちは、!作者です!めちゃめちゃ遅い返信になってすみません泣そう言って貰えると嬉しいです、、読んでいただいてありがとうございました! (5月8日 15時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
語彙力無のネコ - 今まで見てきた夢小説は殆どが、「本物の夏油」が出てくるやつか、闇落ちしてない夏油がてでくるやつだったから、新しいかんじがする((語彙力無 (2022年9月17日 8時) (レス) @page1 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
琴都 - お疲れ様です!おお、いつでも待ちます、!^_^ (2022年1月25日 9時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - あいうえおさん» あぁっ!すごく嬉しかったですありがとうございました( ᵕᴗᵕ )面白かったと言ってくれる方がいると本当に嬉しくて力になるのでとても感謝です。イラストもありがとうございましたm(_ _)m (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - 琴都さん» 最後まで応援ありがとうございました~!やっと1作品終わったので少しゆっくりしようかと思ってたんですがちょっと新しい話のアイディアが湧いて創作しようか迷ってます…笑 (2022年1月24日 22時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年4月4日 12時