【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい

呪9 ページ11

？｢そうだよ。

君はその呪力を自分のモノにして好きに操るべきなんだ｣


『…私に本当にそれができるの？

私、呪霊にならなくてもいいの？』


？｢当たり前だよ…憎いだろう？

君を騙し続けてその上でまた欺く周りの人間。

…君を解き放つべきなのにそうはしない人間。…君は何も悪くない｣



憎い？騙されてきた？…私は何も悪くない？




…そうよ。私は何も悪くないのに！

ずっと騙され続けてきた被害者なのに！

このまま呪霊になるのを待って死ぬ？

ふざけないで！



許さない。絶対に。

私は呪術を使えるようになる。

私を騙してここにひとりぼっちにした人間に復讐してやる。

誰よりも強い術師になって…！


？｢私が君に本当の呪術を教えてあげるよ。

呪術師になれないと言われたなら呪詛師になればいい。簡単なことだ。｣


そうだ。必ずこの体の呪いを解いて私を欺き続けてきたこと後悔させてやる。


？｢そうだ。憎め憎め憎め。

お前を騙してきた人間。愛してくれなかった人間。

助けてくれなかった人間。

…全ての人間を恨めばいいんだ。

…その気持ちがお前の呪力をみなぎらせそれは大きな力になる。｣


ギュッと私を抱きしめるその男。
彼の衣服の袈裟が私の手に触れる。


私はただ、こうしてもらいたかっただけだった。

誰かに抱きしめてもらいたくて、

大丈夫だよ、と言って欲しくて。


家族の誰もしてくれなかったけれど。

いつも私と会う時の父と母の顔には恐怖や怯えが充満してたことに本当は気づいていた。

だけど気づいてしまえばそれは事実になってしまうから見ないフリをして、知らないフリをして、大丈夫だ、と自分に言い聞かせていた。



『私は…』


？｢うん？｣


『強くなりたい…』


？｢うん。なれるよ君なら｣



抱きしめられたまま、涙がこぼれて私の涙が彼の服を濡らしていく。



『見返してやりたいっ…』


？｢大丈夫。できるさ。

私が必ず叶えてあげるよ、君の願い｣


『呪詛師になれば…』


？｢そう、呪詛師になればいい｣


『復讐できる？』


？｢もちろん｣



フッと私から体を離すと彼は私の前にその手をだす。



？｢五条 A。

私の手を取るか取らないかは君次第だ。

退屈なただ死を待つだけの人生を選ぶか、外へ飛び出して君の知らない世界を見る人生を選ぶか

さぁ、どっちにする？｣


先程とまるで変わらない彼の笑顔を見つめる。





『私は…』









｢私は夏油傑。今日から君のセンセイだ｣

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