【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい

呪31 ページ34

『観、察…？』


宿儺｢この体の中は何かと退屈でつまらぬ。

小僧は無駄な殺生はせぬし、心を躍らせるような呪霊にも会わぬ。

皆雑魚ばかりだ。


…しかし、お前は違う。

久しぶりだ。こんなに精錬され、隙のない完璧な呪力の持ち主に出会ったのは。

しかも女だ。

俺がもしこんな小僧の体に縛られていなければ今すぐ戦って殺してやりたい｣


殺す…？

何を言ってるの此奴…。


『あんたに…っ…』


“あんたに、この私が殺せる訳がない”


本当に？


この呪いの王は私を殺す事が出来ない？

いや…

そんなはずない。

きっと、私は宿儺に勝てない。

こんなに足が震えて体が動かないのにこの呪霊に私が勝てるはずがない。


じゃあ、お兄ちゃんだったら？

五条悟だったら宿儺に勝てるの？

お兄ちゃんは“最強”だから？


宿儺｢女、怯えるな。

怯えなんていう感情は1番無駄な思考だ。

俺はそんなつまらぬものは好きではない。｣


『帰して。…話なんて無いんでしょ？…私を帰してよ』


宿儺｢…誰が勝手に口を開いて良いと言った？

何故お前如きが俺の意向を決めつける？

図に乗るなよ｣


『…っ』



あの紅い瞳の奥できっと私はもう生きていない。

宿儺に私の生命なんて関係ない。

きっと私は彼にとって玩具。

私の返答で生かすか殺すか決めているはず。


なんで…なんで私が呪霊なんかにこんなに縛り付けられなきゃならないの！


宿儺｢はぁ、解った。

さっさと話して終わらせてしまおう。

俺がお前を観察してやろう。

お前が面白いことをするならば力を貸してやる。

つまらないのならそれまでだ。

俺の興味が失せればお前には存在価値がなくなる。｣


『なんで…そんなことを？』


宿儺｢暇つぶしだ。

お前のその恨みから生成される呪力、ククッ…良い良い。

研ぎ澄まされている。

その力をもってすればこの世の人間を鏖殺できるぞ？｣


『私一人の呪力で…？』


宿儺｢そうだ。

さっきお前に放ったのは俺の呪力の欠片だ。

…生憎、俺は今この小僧に縛りをかけられている。

よって貸せる力も僅かだ。

…しかし…俺には僅かな力でも人間にとっては致死する可能性も有りうる力量だ。

まずはお前が俺の力に順応できるか見てやろう｣


『私は、私のしたいことをするだけよ。

あなたの思うような行動はきっとできない』


宿儺｢それで良いのだ。

お前はお前のやりたいことをすれば｣


『まっ…』



悠仁｢…おーい、A？｣

…戻ってきたのか…

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