005 ページ5
「 寿司！ 寿司来た！ 」
「 し 、 新幹線 …… ！ 」
虎杖と野薔薇のテンションが驚くほどに上がっていく。
野薔薇に至っては周りにキラキラとしたフィルターの幻覚が見える。
「 この茶碗蒸し誰の？ 」
寿司たちを届けてきた新幹線から茶碗蒸しをとって 、 虎杖がそう質問した。
『 はいはいはい！ 私の！ 』
勢いよくそう言えば 、 伏黒が冷たい目を向けてきた。絶対零度だよ凍っちゃう 。
そんなおふざけは置いておいて 、 なに？ と見れば 、
「 うるさい 。 茶碗蒸しは逃げねぇよ 」
と。
茶碗蒸しは逃げないけど温かさが逃げるんだよ。
知らないの？と煽る。もちろん心の中で。殴られるのはごめんだ。
ピロリン 、 と次の新幹線の到着を知らせる音が鳴り響いた 。
私たちの元に滑り込んできたのは。三つのパフェだった。
「 え待って 、 パフェめっちゃ来たんだけど 」
「 は 、 頼んだの誰よ 」
驚いたような声を出したのは虎杖 、 驚きを越して呆れたのが野薔薇 。
…… 性格が出るね 。
伏黒と私は 、 思わず先生に冷めた目を向けた 。
「 あっはは 、 それ僕のね 。 あと2人はその目やめてくんない？ 」
先生は能天気に笑ってそう言った。
伏黒は “ 先生が悪いだろ ” みたいな顔してるし 、 野薔薇は “ それ全部1人で食べるの？ ” と呟いていた 。
そんな生徒たちの表情をもろともせず 、 小さいスプーンでぱくぱくとパフェを食べ進める五条先生 。
この絵面ウケる 、 とスマホを取り出して写真を撮ろうとすれば 、 満面の笑みでピースされる。もう、私はその顔が撮りたいわけじゃ無いのに。
おかげで私の写真フォルダは先生の似たような表情でいっぱいである 。
「 Aは毎回同じような僕の写真撮ってなんかあるの？ まあ僕イケメンだから見てるだけでテンション上がるのか 」
『 自己解決すんな 。 自意識過剰だわ 。
なんか不意打ち写真みたいなの撮りたいけどその前に先生が気づいちゃうんじゃん 』
「 Aが分かりやすいのが悪いんですー 」
うわ 、 めちゃくちゃ煽ってくる 。
よし決めた 、 寿司の高いヤツ片っ端から頼みまくろう 。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よる | 作成日時：2024年1月10日 16時
