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｢言ってくれるねぇ。良い子良い子してあげる｣
そう言って、頭を撫でてやると、虎杖くんは嬉しそうに笑った
｢君には神様の加護がお似合いだ｣
｢神様の加護？って、そんな事より、今のどうやったの？｣
神様の加護をそんな事で終わらせてしまう虎杖くんだが、少しぐらい加護を与えても、問題はないだろう
｢天使先生は、どんな術式なん？｣
｢俺には呪力が無いの。元の虎杖くんと同じだね。それに俺は術式で戦うんじゃないの｣
そもそも術式などの話は、自分には難し過ぎる。高専で一応の勉強はしたけれど、噛み砕いてでしか、理解はしていない
｢そんじゃあ、何で？｣
｢うーん、百聞は一見に如かず、みたいなことわざもあるから、･･･サイモン、ちょっと出て来て｣
そう言うと、俺の体からサイモンが出て来る
｢この子は、幻術を扱える凄腕の術者だよ｣
サイモンの肩を抱いて、皆に紹介した
｢げ、幻術を、扱える･･･｣
｢凄いでしょ。俺も多少は扱えるけど、この子ほど強くないかな。この子は本当に優秀で、イタッ｣
サイモンの凄さを話そうとしたのだが、本人の脇腹を殴られて止められた。しかしながら、彼女は本当に優秀な術者なので、こちらの世界にいてくれて助かっている
｢昨日の水色の人も術者？｣
｢一概に術者って言ったら語弊があるけど、分かりやすく言えば、そうなるね｣
ミクリオの事を訊かれたので、適当に答えておいた。こちらの世界では、俺達のような存在は、存在しないらしいので、詳しい事は話さない方が良いだろう
｢他にも誰かいたりするん？｣
｢えっとねー、ミクリオとサイモンを抜いて、あと五人はいるかな｣
｢五人も!!?会いたい!!｣
｢また今度ね｣
｢えー｣
不満の声を漏らしながらも、虎杖くんはすぐに引き下がってくれた
｢領域展開は出来るんですか？｣
伏黒くんに訊かれたが、領域展開については、俺の認識と呪術師の認識では全く違う
｢そうだなぁ。俺には、あんな高度な技は出来ないよ｣
｢とか言いつつ、ミクリオとか言う奴は、よく使ってんじゃねぇか。さっきのもそうだ｣
｢しゃけ｣
二年生は何度か引率をした事があったので、ミクリオの事を覚えていたみたいだ
｢ミクリオの領域は、呪術界で言う帳みたいなものだよ｣
｢なるほどな。初めて聞いた｣
｢言った事無いからね｣
自分の力を話しても、きっと伝わらないので、どうでも良かった。実際問題、伝わらなかった過去があるので、俺の力を信じる呪術師なんて、ほとんどいないだろう
その為、特にどうとも思っていなかった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年1月2日 12時
