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42 伏黒side ページ42

「せいぜい頑張るが良い、人間。ではな」


そう言った先生は、窓から飛び下りた。先生の近くにいた吉野が、慌てて窓の下を見た


「い、いない・・・」
「逃がすな!!」


ドタバタと騒がしく走り去って行く呪術師達


「何よ、アイツら」
「分からん。だが、天使先生を呪霊って・・・」


呪術師達は、先生の事を一級呪霊と言っていたが、理解が及ばない。あの呪術師達が一級という事ぐらいしか分からない。それと虎杖に、あの呪術師達が攻撃を加えた事ぐらいだ

呪術師の攻撃は、虎杖には当たらなかったものの、良い気分はしない


「あー、遅かったみたいだね」


場違いに明るい声が聞こえて、振り返れば、そこには五条先生がいた


「五条先生!!一体どういう事なんですか!!?天使先生を呪霊だなんて・・・!!」


取り乱した吉野は、五条先生に怒鳴るように訊く


「落ち着いて、順平。まぁ、僕も落ち着けないんだけどさ。今回の件は、割りとマジで」
「五条先生が、封印されるより大変な事ってあります?」
「あるんだなぁ、これが。アイツが敵に回るとなると、人類が緩やかな死を迎える」
「緩やかな、死・・・?」


その通り、と五条先生は頷く。どうやら、本当に大変な事が起こっているようだった。先生はいつものような調子ではあるものの、焦っている感じも否めなかった


「Aがどんな存在かは、授業でやってるよね?」
「はい。地水火風を操る仲間いて、天使先生自身も扱えて、祈りを捧げる事によって、加護を返してくれる、っていう」
「それと何か関係あるわけ?」
「大有りなんだな、これが」


釘崎の言葉に、先生は天使先生が人の敵に回ると、起こりうる事を話してくれた。それは本当に人類の緩やかな死を指していた

地水火風を操る事の出来る天使先生は、火事を自然現象として起こす事も、雨を降らせ続ける事も、震度の強い地震を起こす事も、家を吹き飛ばす程の台風を作る事も、いとも容易く出来る

つまり、天使先生を敵に回すと言う事は、自然を敵に回す事を意味する。自然に人間が勝てるはずもない


「簡単に死ねないってのが、嫌だね。Aの奴、何か言ってた?」
「全ての加護を放棄するって言ってた」
「はぁ!!?嘘、マジ・・・ヤバ・・・」
「え、そんなにヤバいん?」


露骨に嫌な雰囲気を作った五条先生に、虎杖が訊いた


「アイツは、A達は、日本の守り神だったんだよ」
「守り神?」
「そ。呪霊の力を抑えてくれていた、とっても高貴な存在。この日本を器としてね」


話が飛躍し過ぎて、ついていけなかった

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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