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12月23日 百鬼夜行前日
私は、北海道に来ていた。
呪術連への協力要請は既に済んでいる。
私は■■村に、10年ぶりに来ていた。
『...変わってないな』
今日
辺りは一面銀世界。
住民の遺体や血痕は全て処理され、家屋だけが手付かずのまま放置されている。
ザザ、ザザ、
『...車椅子だと雪の中は厳しいか』
タイヤを回そうと力を入れるが、うまく進めない。
仕方ない、実家の前に添えようと思っていた花束を村の入り口に置いて戻ろう。
そう思った瞬間、
「やあ、奇遇だね」
『!』
後ろから、声が聞こえた。
10年前ここで別れた、傑の声だった。
『なん、で...』
袈裟姿の彼は、1人だった。
先日高専で見た彼とは違う、
以前の、私のよく知る傑。
傑「中に入りたいんだろう?」
私の問いには何も言わず、彼は告げる。
『あ、あぁ、でも
幻覚でも見ているんだろうか。
雰囲気にのまれ彼のペースに従ってしまう。
傑「じゃあその花しっかり持ってて。」
『え、...っちょ』
傑は最も簡単に私を抱き上げ、村の中に入っていく。
傑「動かないで、落とすよ?」
落ちるよ、ではなく落とすよ、と言うところが傑らしい。
彼に敵意は一切感じられない。
『...ありがとう』
いえいえ、と傑は笑う。
傑「...着いたよ。」
そう言って彼は地面に布を広げ、その上に私を座らせる
久しぶりに見る、私の実家。
花を添え、両親に祈る。
その姿をじっと、傑は見ていた。
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ぱーむくーへん - 切ないけど、すごく綺麗なお話でした。 すごく好きです。 (2021年1月15日 23時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
綾ゞ(プロフ) - 羽憐さん» ありがとうございます...!!!泣先程新作更新しましたのでぜひ読んでいただければ幸いです! (2021年1月7日 19時) (レス) id: cfbf242659 (このIDを非表示/違反報告)
綾ゞ(プロフ) - ディーヴァさん» 嬉しいです嬉しすぎます、ありがとうございます...! (2021年1月7日 19時) (レス) id: cfbf242659 (このIDを非表示/違反報告)
綾ゞ(プロフ) - shinox2さん» ありがとうございます!!泣 (2021年1月7日 19時) (レス) id: cfbf242659 (このIDを非表示/違反報告)
綾ゞ(プロフ) - マリイさん» リクエストありがとうございます!現在次回作の構想が固まってしまってるのですが、夢主器設定面白そうなのでぜひ参考にさせていただきます! (2021年1月7日 19時) (レス) id: cfbf242659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾ゞ | 作成日時:2021年1月5日 12時