またいつか。【呪術廻戦】 (ページ18)

今日:22 hit、昨日:5 hit、合計:195,823 hit

16．ページ18

辛いね、嫌ならやめなよ。

...優しい彼女ならそう言って心配してくれるかと淡い期待をしたものの、
どうやら単純に興味があっただけらしい。

すると、ｽﾀｽﾀと彼女がこちらに歩いてきた。

徐に私の手から呪霊の塊を取り上げ_____

______踏み潰した。

傑「え、」

取り込もうとしていた呪霊は、灰になる。

『...ね、傑。

硝子に怪我治してもらったらさ、おいしいもの食べに行こうよ。』

なんで、どうして、
聞きたいことは山ほどあった。

でも何も聞けなかった。

ほら、行くよ。

驚きのあまり動けずにいた私の手を、彼女は黙って引いた

その日の夜Aと食べた食事はなんだかいつもより美味しく、
疲れ切った私の身体に染み込んだ

『傑？』

『傑、』

『傑！』

彼女は呪言師なんじゃないかと度々思う。
彼女の声を聞くたびに、心が軽くなる。

私の名前を呼ぶ、
あの年齢の割には大人っぽい、艶っぽい声が

私の求めている言葉を求めているタイミングで言ってくれる彼女が

いつしかたまらなく好きになっていた。

_____声が聞きたくなった。

携帯を開く。

電話帳から、彼女の名前を探す。

「紫月 A」

私の発信履歴にはじめて、彼女の名前が刻まれた。