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気づきは成長への第一歩になるかもしれない(夏油) ページ10

晋助、と呼ばれていた男は体術訓練が終わるとAに連れられ、一緒にどこかに行ってしまった。

「……また何か来たな」
「Aも行っちゃった」
「仲、よさそうだったね」

Aが消えていった方を見て、私達は話す。
あの男を見て話すAの表情は嬉しそうにも見えるのに、その目は少し寂しそうだった。

今日は任務がない。おそらく部屋で色々と話すつもりだろう。
Aの情報を手に入れるチャンスだった。

私達はAの部屋を占拠し、Aが帰ってくるのをゲームをしながら今か今かと待っていた。

「なんでお前らまた私の部屋占領してんだコラ」
「お邪魔してるよ」
「邪魔するなら帰ってーっていうからお邪魔する前に言ってくれる??」
「お前の部屋にS◯itchがあるんだから仕方ねぇだろ」
「だからプレ◯テ捨ててお前の部屋待っていけよ」

Aは当然のように部屋に転がり込んでいる私達を見て苛立っている。

「テメェら、女の部屋に勝手に上がり込んでんじゃねェ」
「よく言った晋助。今の100点」
「こいつは女でもなんでもねぇだろ」
「晋助、あの白いの、どついていいからな。銀時だと思って」

Aは自分の部屋の様子を見てため息をついた。その隣にいる男が両手にビニール袋を抱えているのが見える。
コンビニにでもいったのだろうか。

「……すまん晋助、場所を変えよう」
「部屋、あと2人ぐらいなら余裕だよ」
「そういう問題じゃねぇんだよ」

Aはやはり話を聞かれたくないのか、場所を変えるつもりのようだ。

「俺らがいたらまずい事でもあんのかよ」
「逆に旧友との感動の再会の場面に立ち会ってほしいやつがいるか」

Aはその人の腕を掴むとそのままどこかにいってしまった。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時

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