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あともう1人も真面目な雰囲気を感じ取れた。
若かりし頃の晋助みたいな、そんな感じだな。多分こっちもいい子。
なんでこんな礼儀正しい、いい子たちがクソガキの後輩になるのか不思議でならない。
「そうか!雄とケ◯ティー、」
「その呼び方やめてください。規制が入ります」
「えー。建人って言ったらもうケン、」
「やめろと言いましたよね」
確実にケ◯ティー、じゃなくて建人は若かりし頃の晋助に似ている。
建人はじとっとした目を私に向けていた。
なんかその目、少し傷つくんだけど。
「な?ロクでもねぇやつって言ったろ?」
「……貴方も人のことは言えないと思いますけど」
「ぷっぷ〜。悟、言われてやんの〜」
「お前、“も”って言ってたからな」
悟がめくじらを立てて、私を指差しながらがみがみと吠える。
後輩ができたと言うのに、悟は相変わらずクソガキなこった。
私は木刀を悟に構え、目を合わせた。
ちょうどいい機会だ。悟の後に新しい生徒とも手合わせをしてやろう。
「後輩と私にちぃとは成長した悟クンを見せてみろよ」
「……上等だ。ぶん殴ってやるからな」
「傑、お前も来い。2対1だ」
「あんまナメんなよ、A」
「流石にそれは無謀じゃないか?」
「無謀かどうかは刀を交えてから見てみろ」
傑が少しむっとした様子で悟の横にならぶ。
ナメられている、と少し不満げなようだ。
「お前らふたり合わせて最強なんだろ?それぐらいじゃねぇと私には勝てないぞ」
2人は目配せをすると息を合わせ、私との距離を詰めてきた。
私は確かに男ほどの筋力もない。だが、それは戦いという場面においては、さしてマイナスにはならない。
太刀筋と身のこなしの方が重要なのだ。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時