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悟は興味がなさそうに、途中からのゲームを始めている。
硝子は、ベッドの上に転がり込んでいた。
「Aのことについてなんですけど、」
そう言った途端、元々鋭かった目がより鋭くなった。
地雷を踏んだのだろうか。
一旦本題から逸れた話をはさもう。
「……真選組にいた頃もサボってばっかりだったんですか?」
「あぁ…………そうだな。基本的に外回りの時は俺に隠れて喫茶、キャバ、スナックとかに行ってふらついてやがったな」
キャバとスナックにまで行ってたのか。
「やっぱりそうなんですね。今も一応仕事はしてますけど、やりたい放題してます」
「そうだろうな……。あいつの仕事って、結局なんなんだ?」
「ここ、呪術高専で私達生徒を任務地まで送り届けたり、自習の時に監督に来たりしてますよ」
「じゅじゅ……?…………そうか」
思うことがあるのか、土方さんは一点を見つめておにぎりを頬張った。
そろそろ本題に入ろうと、私は話を切り出す。
「……Aは向こうの世界で、どんな人生を歩んできていたんですか?」
土方さんは私に目を向けた。鋭い目が私を突き刺す。
「…………それは俺の口からいうことじゃねェ。Aに聞け」
その答えは土方さんも教えてくれなかった。
だが、Aがそういった話に答えてくれたことはない。むしろ、いつもそれについて触れさせもしてくれなかった。
「Aは自分から仲間を捨てたのに、真選組がまた自分を仲間にしてくれたんだと、」
「なんの話をしてんだー、傑」
その声を聞いてはっと振り返ると、Aが私達を見下ろしていた。後もう少し時間があれば……。
「最近は押しかけてこねぇと思ったら、また現れやがったな」
Aは自室に上がり、酒を取り出そうと冷蔵庫を開ける。
本数が減っていることに気づいて、テーブルの上に置いてある酒缶を発見し、ため息をついた。
「変なこと吹き込んでないでしょうねー土方さん」
「吹き込んでねぇよ。お前じゃあるまいし」
Aは缶ビールを一缶片手に持って硝子の横に座った。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時