ページ ページ46
「A、その人が土方さん？」
「あぁ。傑、よくわかったな。前髪V字でわかったのか？」
「お前っ、余計なこと教えんな！」
傑が当ててきた。
前髪同士通づるところがあるのかもしれないな。テレパシー的な。
「夏油傑と言います。こっちが悟、こっちは硝子です。よろしくお願いします」
「……土方十四郎だ。よろしく……」
土方さんが珍しく改まっている。
それを横目に私は椅子を立て直し、クーラーの当たる位置でマガディンを読み出した。
「A、職務中なんだろ。マガジン読むな」
「マガジンは読んでません。マガディン読んでます」
「一緒だろーが！！」
「Aはいつもこの時間はジャン部読んでるので別に問題ないですよ」
「お前やっぱろくに職務してねェだろ！！！士道不覚悟で切腹だぞ！！」
「士道不覚悟っていつの時代の話ですか。ここ、トーキョーですよ。それに、ここでジャン部読むのが私の仕事なんですよ土方さん。土方さんは頭が固くて困る」
「嘘つけお前！！！」
キレ散らかす土方さんにやれやれ、という反応をして見せる。
こんなキレてばっかりだといつか血管詰まらせて早死にするな。
そんなことをしてる間にチャイムが鳴る。
結局マガディン読み切れなかったじゃねぇか。後もう少しだったのに。
土方さんに舌打ちをする。
「ねぇ今舌打ちした？？したよね？？」
「してないです。なんでよりにもよって来たのがクソめんどくせぇ上司なんだ、ゴリラの方がまだマシ、とか別に思ってないので」
「言っちゃってるよね？？完全に本音だよね？？斬るぞ？？」
「部屋に案内するので、そこで大人しくしといてください」
土方さんの腕を掴んで教室を出る。
一年坊の任務後、寄り道して帰ろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月14日 12時
