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医務室で灰原は完全にAに捕まっていた。疲れた顔をした七海が後から入ってくる。
ちょうど噂の人が現れたと言うわけだ。
「硝子！！！こいつ、もうAさんの付き添いはいりません！！って建人と単独で任務に行った瞬間怪我しやがった！！！」
「ずみません……」
「あらら」
灰原を引きずってきたAが、私の目の前にいる五条に気がついた。
五条がここにいることなんて、まずない。
「悟？もしかしてお前も怪我したのか？」
「……別に」
「なんだよ。先生に見せてみなさい」
「……やめろよ」
やっぱり、Aに対する反応が薄い気がする。
Aは五条の全身を確認し、制服が大きく破れて血がついている場所を見つけ、じっと見つめた。
もう治療済みだから傷はない。
そのままAは五条の額に触れようとして、五条がそれを立ち上がって避けた。
がたっと椅子が倒れる。
「悟、疲れてるなら休めよ。無理して怪我したら元も子もないからな」
「うるせぇな。……お前は灰原の面倒見とけよ」
そのまま五条は歩いて医務室から出ていった。
なにあれ子供のヤキモチかよ。
Aは五条が出ていった扉をしばらくみていたが、それ以上気にする様子もなく灰原を椅子に座らせた。
よく考えてみればAもそういえば少し変わったかもしれない。
前までは本当にとことん五条や夏油を構い倒していたのに、それが少し、なくなった気がする。
それは、新一年の影響もあるかもしれないが。
「雄は1人で突っ走んな。建人は雄のこと見ておいてやってくれ」
「はい……」
「……わかりました」
ばん、と2人の背中を叩きAは医務室から2人を出した。
ちゃんと大人してるAなんて初めて見たかもしれない。
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作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月14日 12時
