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Aはおっさんの懐に手を入れて、財布を取り出した。
保険証、クレジットカード、現金、色々なものをそこから取り出す。

「この私に、私の許可なく触れたんだ。落とし前、つけろや」

この会話だけ聞いたら、Aはただのヤクザだ。
おっさんを引きずってAはATMの方に歩く。

「通報してもいいんだが、この私が黙ってやると言ってるんだ。100は固いよなァ?」

そういってAは言葉の限り脅し、そのおっさんから結局200程巻き上げていた。
えぐいなこいつ。

「これであのおっさんも懲りるだろ。あそっちは今日も世界の平和を守ったのである」
「ほぼ脅してぼったくった200万の札束で扇ぎながら言うセリフじゃねぇだろ」

Aは両手に札束を持ちながら、俺たちの前を歩く。
これが痴漢された女の姿か。
てか早くなおせその200万。

「……A。痴漢された時、なんで私達にすぐ助けを求めてくれなかったんだ」

隣を歩く傑がAに問いかけた。
Aはピタッと歩みを止める。だが振り返ることはなかった。

「……そりゃあ言ったら、周りに通報されるかもしれねぇし、金巻き上げづらくなるだろうが」
「最初から金巻き上げるつもりだったのかよ」
「あったりまえだろー?私を誰だと、」

傑がAの腕を掴んだ。
Aの言葉が途中で止まる。

「強がるな。次同じようなことがあったら許さないから」

傑の目は真剣だった。
Aはそこでようやく振り返った。

だがその表情は無に近しく、いつも黄色に輝いているその瞳には底なしの闇が見えたような気がした。

「誰が許さない、だクソガキ。私の勝手だろ」

Aは傑の手を引き剥がすと、また前を向いて歩き出した。

「今日は棚から200万のぼたもち落っこちてきたし、飯食いに行こうぜー!!私の奢りな」

そう言ったAの声は本当にいつも通りだった。万札の束を掲げてふらふら振っている。
ほんと、危ないからやめろって。

傑をちらっと見てみると、鋭くAを見つめていた。
Aはその視線に気付いていないのだろうか。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時

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