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はぁ、とため息をつき、俺は仕方なくその言うことに従って傑を引っ張ったが、全く離れる気配がない。
「ほんっと、超絶美人で面白いAサンのこと大好きなのはいいけどそろっそろ離せ」
「ばーか、酔ってるだけだっつーの」
俺もAも必死に離そうと息が絶え絶えなのに、傑はまだAの腰にしがみついていた。
傑まじ起きてる?起きてないよな??
「硝子〜……傑くっついたままのAサンでも愛してくれる??」
「んー…………悩む」
「そこ悩んじゃうの?!傑おい今すぐ離れろゴラ!」
硝子に悩まれただけで割と今までよりもガチめに引き剥がされそうになる傑。
やっぱり最低だなこいつ。
「もういい!!持ってけ泥棒!!」
そういって俺に両手を広げたA。
一切曇りのない瞳が俺を見つめる。だが少し目が重そうにとろんとしているから、こいつも酔ってはいるんだろう。
そのポーズは、こいつごと傑を部屋まで持ってっけいうのかよ。
「はぁー?廊下で寝とけよ」
「傑に同じことが言えんのかよ!!」
「言える」
「こんの薄情者め!!私がいつか呪いを習得したら真っ先にお前に髪が白髪になる呪いかけてやるかんな!!」
「そんなくだらねー呪いねぇわ。しかもそれあんま痛くねぇし」
俺の事を睨みながらテケテケのようにのそりのそりと腕で傑をずってきたAに眉をひそめる。怖ぇわ。
「…………ったく、めんどくせーな」
どっちにしろこいつは引きずって来そうだ。
俺は舌打ちをしてAの両腕を掴んで部屋に引っ張って行く。
なんで結局俺はこいつの面倒を見てんだ。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時