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「あ、どっちか入るか?!麻雀!!今3人でやってたんだよ!!入るなら最初からやるし!!な?!」
「それはズルだよA」
「Aさん、負けそうだからって勝負をうやむやにしようとしないでください」
「え〜固ぇこと言うなよ〜建人ぉ〜硝子〜」
「固いことじゃありません。勝負なので」
「なぁ?!お前らどっちかやらね?!」
「私はパス」
「やらねー」
「なんだよ!!ケチ!!いい子にするって約束しただろうが!!」
「麻雀で金賭けることのどこがいい子なんですか」
どうやらまた金を賭けているらしい。懲りねぇ奴だ。
それにケチとも言われる筋合いはねぇ。
ベー、と舌を出しておちょくってやった。
俺と傑はその麻雀台の近くで勝負の行方を見守っていた。
「なぁ傑、重い」
「だって体重かけてるし」
「いやかけんなよ。麻雀の勝負中なの。見えてる??」
Aの肩に肘を置いて膝立ちをしながら傑はその勝負を見ていた。
Aと距離が近い。
いつもあんなに寄ることもないのに珍しい。
そう思ったが、ふと最近の傑を思い出した。
そういえば、最近の傑は結構、Aとの距離は近かった。
Aの部屋に行っても、大体Aの隣に座っていた。それでいて、Aは傑のことを俺よりもいつも少し優遇する。
そんなことを思い出し、なんとなく不貞腐れた感情を心にしまった。
「勝ったー」
「負けてしまいましたか……」
「硝子っ…………強すぎるってっ…………」
勝敗で万札をかけていたらしい。
Aが必死になってたから、そんなことだろうとは思っていたが。
「あ、ちょっと、傑おい。それ冷酒だから勝手に飲むなって。チューハイしか飲んだことねぇひよっこにはきついって」
Aの足元に置いてあった冷酒を傑は一気に煽った。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時