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まだ給料が出る分にはいい。だがなぜ私はクソガキに加え、一年坊も連れているのか。訳がわからない。

「うるさいです。静かにゆっくり運転してください」
「建人なんか最近私に当たり強くない?!前はあんなに大人しくてかわいかったのに!!」
「そんな時期、記憶にないんですが」
「Aが尊敬に値しない大人だって気づいたからだろ?」
「尊敬されたいなら、もう少し行動を改めた方がいいと思うよ」
「くっそ腹立つ……!リクライニングとフットレストを存分に活用してくつろぎやがって……!!」

後部座席の真ん中に座る悟と傑は長旅に備え、完全にくつろいでいた。
悟に至ってはアイマスクまでつけてやがる。まじでなんかムカつく。

「五条さん、背もたれもう少しあげてください。後ろが狭いです」
「えー?そんなことないと思うけど。まぁ俺優しいから?ちょーっとだけあげてやるよ」
「………………ぶん殴りますよ」

そのうえ悟は後輩である建人にクソみたいな嫌がらせをしていた。
ちくちくと建人に文句を言われ続け、もう一度レバーを引いた瞬間、背もたれを建人に押されてたのか、すごい勢いで二つ折りになった悟には爆笑した。

「いやー!!一年坊も連れて来てよかった!!」
「何を見てそれ言ってんだよ!!まじ死ぬかと思った……」
「さっ、悟っ…………あんなに綺麗に人ってっ……折れるんだねっ……ふっ」
「笑ってんじゃねぇよ傑!!おい灰原!!傑にもおんなじ事やれ!!」
「えぇ?!レバーあげないと無理ですよ!」
「上げろレバー!!」
「こらっ、悟、車の中で暴れるな」
「車ん中ぐらい大人しくできねぇのかクソガキ!!」

2人の大男が車内で暴れているせいで車がぐらぐらと揺れる。
2人はリクライニングレバー攻防をしているようだ。本当にガキだな。

ぐぇっ、とかえるでも潰れたのかと思う声がしてバックミラーを確認すると、傑が座席に二つ折りにされ、悟がそれに挟まっていた。
建人が背もたれに手をかけているのが見える。

「ばっかだなお前ら〜!!硝子、写真撮っといて!」
「もう撮ってる」
「さっすが硝子」
「苦しい…………」
「し、死ぬ…………」

そんな調子で行きしなに任務も終わらせ、美味い飯も食った。
宿に着いた頃には空が暗かった。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時

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